2024-03-28T10:44:29Z
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2023-01-16T04:21:12Z
312:313:314
量子論と代数 : 思考と表現の進化論
谷村, 省吾
TANIMURA, Shogo
open access
本文についてはサイエンス社『数理科学』編集部より再配布の許可を得ている。補足部分は著者の任意による解説。Copyright(C)2018 谷村省吾
ウィグナー
The Unreasonable Effectiveness of Mathematics in the Natural Sciences
中西襄
ガリレオ
ニュートン
スピノザ
自己複製子
発現
突然変異
淘汰
進化
ドーキンス
利己的な遺伝子
ミーム
量子力学
代数的量子論
スペクトル
ベルの不等式の破れ
物理学者のウィグナーは1959年に “The Unreasonable Effectiveness of Mathematics in the Natural Sciences” (自然科学における数学の不合理な有用性)と題する講演を行った。数学は自然科学においてあまりにも便利である。とくに物理学では、推論・計算をする上で数学が便利だというだけでなく、そもそもの前提となる物理法則を数学以外の言葉では言い表せない。そのように世界が成り立っていることは不思議だし、そのような数学を人類が創造したことも不思議だ。しかも、もともと物理のために創られたのではない数学概念が、のちに物理を語る言葉として使われることがある。そのようなことはまことに不思議で、合理的に説明できない、というのがウィグナーの論の概要である。 ウィグナーの見解は当たっていると思える部分もあるが、私は全面的には支持できなかった。まず、数学を用いた物理学がうまくいっている面はたしかに目につくが、物理学の失敗例もまた多数ある。人類史上、突然に、素晴らしくうまくいっている数学と物理学ができたというよりは、うまくいったものが生き残るという進化的な過程を経て、現在のような自然科学のしくみ、とくに科学的思考方法と表現形態ができてきたと考えるほうが素直であるように思える。 そういったことを論じて、うまく行っている数学と物理学の関係の例として、代数的量子論の概略を解説した。 各節の見出し:1. 物理学と数学;2. 数学は物理学の言葉である;3. それは不合理なのか?;4. 量子力学と数学;5. 代数的量子論. 補足解説の各節の見出し:1. スペクトル値と最小多項式;2. 本稿の式(2)の導出;3. 本稿の式(4)の導出;4. 本稿の式(6)の導出;5. 量子力学をよく知っている人向けのコメント;6. ウィグナーの論説と進化論;7. 数学・物理学の成功は奇跡か?;8. 進化は必ずしも改善を意味しない;9. 謝辞 (リポジトリ掲載 2019年11月6日)
サイエンス社
2018-03
jpn
journal article
AM
http://hdl.handle.net/2237/00030854
https://nagoya.repo.nii.ac.jp/records/28665
0386-2240
数理科学
56
3
42
48
https://nagoya.repo.nii.ac.jp/record/28665/files/tanimura-sk201803.pdf
application/pdf
195.4 kB
2019-11-06