2024-03-29T09:20:04Z
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oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:02002023
2023-01-16T04:39:15Z
326:521:1617600603305:1643589696120
キリシタン・ローマ字文献におけるsとその異体字について
千葉, 軒士
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日本の中世キリシタン文献ローマ字版本ではsとその異体字のſが用いられる。なぜ同一文献内で二つの文字が使われたのかを検討し、その分布と活字の特徴から使い分けの要因・機能差を推定した。キリシタン版で用いられるsとſは分布としては前者が主として語末で用いられ、後者が語頭・語中でのみ用いられている。しかしsは語頭・語中でも用いられており、その要因としてſの右上部が後続する文字に付されたdiacritical markとの接触を嫌ったとの説に従い詳細に見ると、この際にはsが選ばれたものと考えた。ただdiacritical markの^とでも用いられやすさには違いがあり、Sは^とˇで比べſと接触しやすい形状を持つˇの前でより用いられやすいことがわかった。ſを細かく観察すると、この活字は右下部がなく、後続する文字と重なることでスペースを節約することのできる活字であることから説明できる。sとſは単なる環境変異ではなく、sが語の切れ目を主に示し、ſがこれ以後も語が継続することを積極的に示すという役割も担っていたという可能性が考えられる。
名古屋言語研究会
Nagoya Linguistic Society
2008-03-31
jpn
departmental bulletin paper
VoR
https://doi.org/10.18999/nagl.2.27
http://hdl.handle.net/2237/0002002023
https://nagoya.repo.nii.ac.jp/records/2002023
10.18999/nagl.2.27
1881-8072
Nagoya Linguistics
名古屋言語研究
2
27
36
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2022-01-31