2024-03-28T22:54:09Z
https://nagoya.repo.nii.ac.jp/oai
oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00005297
2023-01-16T03:49:58Z
336:635:636
ミトリササゲ胚軸の電気生理学的構造
加藤, 潔
13440
Katou, Kiyoshi
13441
名古屋大学
Nagoya University
理学博士
ミトリササゲの胚軸表面に伸長生長と一定の相関々係を持つ電位分布が形成される機構を解析した。 Xylem 溢出液の pH 分布からみて、 H+ の輸送過程が電位分布形成に密接に係わっていることがわかった。一方胚軸を切片に分断しても、両切断面間の電位差 (Va) として極性が保存され、 Va は anoxia により可逆的に消滅することがわかった。このことは、切片内の細胞の細胞内電位 (Vps) が強い呼吸依存性を示すこととよい一致を示す。しかし Vps とその呼吸依存性成分 (△Vps) には部域差がなかった。伸長軸に直角な平面内にある細胞群の Vps は均一であり、その変動も同調しているので、 cortex は通導組織を軸にした円盤状の symlast を形成しているものと思われる。市野により xylem の電位には部域差がみられず、表面電位は半径方向の呼吸依存の電位差 (Vsx) により決まり、 Vsx は伸長帯で極小となることが明らかにされ、先の Vps に関する知見との間に矛盾が生じた。この矛盾を克服する仮説として2起電力説を提出した。表面誘導法と微小電極方を併用し、個体の anoxia 反応を解析することにより、仮説の証明を試みた。それにより、 Vsx は2つの電位差成分に分解可能で、それらの anoxia 反応から、 xylem と cortical symplast の界面及び cortical symplast の表面に性質の異なった起電活性(それぞれ△Vpx、 △Vps に対応する)が存在することが明らかになった。伸長帯では、|△Vpx| は極大となり、|△Vps| は極小となるが、両者の値はこの部域でほぼ等しいことがわかった。これら起電活性は symplast から外に向かった起電性 H+ ポンプに起因するものと考えられ、その生理的意義について考察した。
名古屋大学博士学位論文 学位の種類:理学博士 (論文) 学位授与年月日:昭和53年6月2日
doctoral thesis
1978-06-02
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乙第1558号
http://hdl.handle.net/2237/6884
https://nagoya.repo.nii.ac.jp/record/5297/files/ot1558_abstr.pdf
https://nagoya.repo.nii.ac.jp/record/5297/files/ot1558.pdf
jpn