2024-03-29T10:25:23Z
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oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:02002011
2023-01-16T04:33:54Z
326:521:1617600603305:1643262406405
キリシタン文献にみる四つがなの様相とその理解 : 「天草版平家物語難語句解」を中心として
千葉, 軒士
マノエル・バレト筆「天草版平家物語難語句解」(以下「難語句解」)は、底本が定かであり、また書写部分と彼自身による記述部分を併せ持つ、版本と写本の中間に位置するものである。この「難語句解」の四つがなの混用を詳細に検討すると、その根底には彼が日本語の破擦音を摩擦音と捉えていたことがあると推察され、これは彼が日本語を理解する際に音声を介在させており、またその理解に母語が関与していたことを示すと考えられる。この混用は、バレト筆の底本が定かでない「バレト写本」とも通ずるものであり、彼自身の四つがなの表記方針を、この「難語句解」により確認できる。また、ロドリゲスやコリャードなど当時の他のヨーロッパ人も彼の記述と同様に、四つがな特に破擦音の認識の困難さを示唆していることから、「難語句解」などに表れる四つがなの混用は、バレト個人のみならず、当時のヨーロッパ人の日本語認識の姿を示していたと思われる。ただし、母語の千渉はあれど、特にジ・ヂの混用は、日本におけるそれが彼らにとって有用に働いた結果であり、彼の四つがなの表記は当時の日本語の姿を反映していると考えられる。
departmental bulletin paper
名古屋言語研究会
Nagoya Linguistic Society
2010-03-31
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Nagoya Linguistics
4
1
14
名古屋言語研究
1881-8072
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