{"created":"2021-03-01T06:17:16.949070+00:00","id":10454,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"9d9c490d-bf53-4b2d-a5e8-40dd2ec7175f"},"_deposit":{"id":"10454","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"10454"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00010454","sets":["320:606:607"]},"author_link":["31745"],"item_12_alternative_title_19":{"attribute_name":"その他のタイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_alternative_title":"A study on fast neutron dosimetry in long-term 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60年もの長期照射となるが、ドシメータの反応生成物の半減期の数倍も経つと概ね飽和に達してしまい、照射終了近傍の中性子束情報しか持たないことになり、ドシメータからは積算線量情報が得られなくなる。このレンジでドシメータが飽和せず、積算線量情報を維持できるのは、高速中性子場においては、93Nb(n,n’)93mNb(半減期16.4年)がほぼ唯一である(238U等の核分裂反応(核分裂生成物として137Cs(半減期30年)を用いる)もあるが、核燃料物質であるため、その使用は法的・技術的に煩雑となる。)。そこで、本研究では、Nbドシメータの実用化を阻む問題点を解決するとともに、反応生成物の減衰による飽和が原理的に生じない安定核種を対象にしたドシメトリー法としてHe蓄積法の導入、さらには、希ガスであるXe、Krを用いることにより、固体ドシメータの装荷が困難な状況やリアルタイムでの測定に道を拓くガスドシメトリー法の開発について実験研究を行い、高速中性子環境での数年から数十年間の長期間を対象とした中性子積算線量を評価する手法を提案・開発した。本論文は、本編全5章と付録から構成される。第1章では、本研究の背景、目的及び本論文の構成について述べる。高速炉の中性子ドシメトリーについて概説し、現状の技術レベルについて述べ、今後の展開における課題として、長期照射量の評価とリアルタイム・短時間計測を挙げる。その上で、本研究は、前者の課題に対して、中性子反応生成物として長半減期核種や安定核種を選定し、既存の研究課題を整理して、高速中性子場の長期積算線量計測技術を提案する。第2章では、半減期16.4年で数十年もの長期照射量測定に適し、105eVオーダの高速炉スペクトルの中性子計測に適する93Nb(n,n’)反応生成物である93mNbによる中性子照射量測定法を確立し、高速実験炉「常陽」の照射試験に適用した。本手法は、不純物Taの放射化物(182Ta: T1/2 = 114d)のγ線で励起されることによる特性X線が測定を妨害し、既往技術では長期間の冷却により182Taを減衰させるしかなかったが、この妨害X線による影響の程度を定量的に評価する手法を考案した。Nbドシメータの反応率測定については、ドシメータを溶解・乾燥固化処理することにより、低エネルギーの特性X線を高精度で測定するとともに、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)でその重量を精度良く求め、反応率測定値を得た。この手法を「常陽」のドシメトリーに適用し、反応率を測定して0.1 MeV以上の高速中性子照射量を求め、多重放射化箔法による中性子スペクトルから求めた高速中性子照射量と比較し、両者の測定誤差以下で一致した。これらより、Nbドシメータによる高速中性子照射量測定法の信頼性が確認でき、高速中性子照射量が精度良く測定できることを確認した。第3章では、反応生成物の半減期により、中性子照射量測定時間の上限が制限される放射化箔法に対して、反応生成物として安定核種であるHeを用いるHe蓄積法を導入した。高速中性子照射量測定用のHe蓄積型中性子照射量モニタ(HAFM)の素子として9Beを選択し、HAFMのHe生成量を測定する質量分析装置を作成し、He含有標準試料による校正法を開発して、He測定誤差5 %を達成した。本手法を「弥生」の標準中性子場にいける高速中性子照射量測定に適用し、9Be素子HAFMにより測定誤差7 %で高速中性子照射量が測定できることを実証した。しかし、中性子スペクトルが低エネルギー側に若干シフトする実機高速炉である「常陽」の高速中性子照射量測定では、16 ~ 17 %過大な測定結果となり、He生成量測定値から中性子照射量求めるために必要な、1群縮約した9BeのHe生成断面積(すなわち、断面積と中性子束及びスペクトル)の評価精度を向上させる必要があることを明らかにした。第4章では、ガスを用いた中性子照射量の測定法を提案し、炉容器内や炉利用気周辺の狭隘部において固体のドシメータの照射・取出しというプロセスに制限されないドシメトリー法を検討した。中性子捕獲反応により複数の安定同位体を有するガスの同位体比が変化することに着目し、反応率の逆数に対して短時間の照射であれば、隣り合う同位体の存在比の変化量(初期の同位体と照射後の同位体比の差)がその中性子照射量に比例することを初めて示し、Xeガスの安定同位体を用いることにより、数年~数十年オーダの長期照射量を測定する手法を試みた。将来の実用化を念頭に置いて、多量のキャリアガス中に微量のXeガスを添加し、その同位体比を高精度で分析するため、レーザ共鳴イオン化質量分析法(RIMS)を用いて、pptオーダの微量Xeガスの同位体比を分析できる装置を開発した。これを用いて、原理実証実験として、「常陽」の炉内クリープ破断試験で試料の破断に伴いカバーガス中に放出されるXeタグガスの分析に適用し、その同位体比を分析して、試料がクリープ破断するまでの中性子照射量測定を初めて試みた。その結果、原子炉内での約1年間の中性照射において、(8.4±0.7)×1026 n/m2までの中性子照射量が測定でき、本手法による中性子照射量の測定原理が実証できた。今回の実験での比較的良好なケースから類推し、測定対象のガス(ガスドシメータ)の放出に伴う誤差要因(放出前のバックグラウンド等)を回避できれば、測定誤差約10 %(~ 1×1026 n/m2)で中性子照射量を測定できる見通しを得た。本手法の実用化に当たっては、タグガスの初期組成の適切な設定と正確な値(誤差を含む)の把握が必要であり、今回の実験のような「ドシメトリー用の」ガスを炉容器内に放出する方法は、実験誤差の拡大を招くので、例えば、専用のガスループを設置する等ドシメトリー方法を具体化していくことが必要である。そうして、実験誤差を低減させていく中で、中性子断面積や輸送計算の精度についても検討課題に挙げていき、ドシメトリー手法として確立していくことが今後の課題となる。第5章では、本研究のまとめと今後の展開について述べる。本研究では、高速中性子ドシメトリーにおいて数年~数十年の長期照射量を実測する方法の開発を行った。具体的には、長期照射量測定のポテンシャルを有するNbドシメータの実用化を妨げる妨害X線の問題に取り組むとともに、核変換生成物として飽和・減衰の生じない安定核種に着目し、9Be素子を用いたHe蓄積型中性子フルーエンスモニタを開発し、さらに、高速炉の計装にも用いている希ガスに着目し、中性子照射によるXeガスの同位体組成変化から中性子照射量を測定するガスドシメトリーを提案し、その原理を実証した。今後の展開として、専用のドシメータを用いずに原子炉運転開始以降の原子炉構造材の積算中性子照射量やHe損傷、弾き出し損傷の蓄積量を測定する技術への発展について、原子構造材中の不純物Nbの測定や構造材中のHe原子数の直接測定がその候補であり、本研究を発展させていくことにより、それらの要求に応えられる技術体系の構築が期待できることを述べた。ガスドシメトリーにおける同様の具体例として、燃料破損による放出されたXeガスFPの同位体比を分析することにより、破損した燃料プロファイルを把握する具体的な手法を提唱し、これらを含めて、個々の章で述べた精度向上等の課題を解決しつつ、中性子ドシメトリー技術が展開してくことを期待される。付録では、燃料から放出されるXeガスFPを同位体分析することにより、当該燃料の燃焼度を直接推定する方法について、具体化について検討し、予備的な実験を実施した結果を報告し、開発に向けた課題について述べる。","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_12_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"名古屋大学博士学位論文 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