{"created":"2021-03-01T06:17:36.733328+00:00","id":10763,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"3d2b953d-b038-4e5a-95fb-3f1a579f9340"},"_deposit":{"id":"10763","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"10763"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00010763","sets":["336:635:636"]},"author_link":["32339","32340"],"item_12_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"1990-02-28","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_12_date_granted_64":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"1990-02-28"}]},"item_12_degree_grantor_62":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"名古屋大学"},{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Nagoya 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DOMS、トラック・セレクターと名付けた専用のフロント・エンド・プロセッサーに行わせる形を採用することによって完成させることができた。成功の決め手となったのは、これらの専用プロセッサーによって、ホスト・コンピューターをそれ自身には大きな負担となるリアル・タイム性を要求される処理(ステージを駆動するモーターの制御やテレビカメラから入力したビデオ信号の処理等)から解放したことにある。 基本粒子研究室(F研)では、従来の半自動エマルション解析のステ-ジ制御用としてDOMSと呼ぶインテリジェント・インターフェイスを手作り的に製作・使用をしていた。New DOMSはこのDOMSの信頼性・互換性を高めたもので、回路のデザインを見直し各機能毎に1枚のプリント基板にまとめ、使用する際には必要とされる機能に応じた基板を組み合わせて全体を構築するという、モジュール化システムを採用している。 全自動解析システムのもっとも重要な部分となるトラック・セレクターは、人間がエマルションの映像を認識する方法にできるだけ似せて飛跡の自動認識を行っている。冒頭でも述べたように、エマルションの映像はそれ自身厚みを持った3次元情報となっており、解析する際には顕微鏡の対物レンズの有限な被写界深度(10μm 内外)で特定の焦点面の断層映像を得ることになる(標準的なエマルション・プレートの厚みは、100μm-1mm 程度)。人間がエマルション中の飛跡を認識する場合には、焦点面の位置を連続的に移動させながら断層映像の変化を観察することによって、人間の頭脳の中Cに3次元情報を再構成する。そこでトラック・セレクターでは、1枚のエマルション・プレートを十数層に区分し、それぞれの探さでの顕微鏡による断層映像をビデオ信号処理により2値化して各深さ毎に独立な画像メモリーに記録した上で、記事表された各探さの画像メモリーの信号を重ね合わせて、その重なりの度合いからそのプレートを貫通していた飛跡を認識するという方法を採っている。このような過程をソフトウェアーだけで行えば大規模なコンピューターを用いてもかなりの時間を要する事になるが、トラック・セレクターでは、ほとんどの過程を専用に設計したハードウェアーで実現することに成功したので、画像処理自身は光学系の機械制御に較べて無視できる時間内に完了できる。 これらのトラック・セレクターおよびNew DOMSの持つ個々の機能を、ホスト・コンピューターからの制御によって有機的に連結して一体のシステムとして完成させ、機能させることによって、エマルションの全自動解析を可能にした。 実際の解析の際には、光学系の機械制御、ホスト・コンピューターとトラック・セレクターおよびNew DOMSとの通信等に時間を要するが、飛跡群の認識測定は、1画面あたり5~10秒程度で処理が完了する。また、加速器からのビームを用いた飛跡の認識効率のテストでは、垂直に貫通する飛跡群に対して、さまざまな因子を含めた値として97%以上という極めて高い成績を得た。 この全自動解析システムを本格的に投入する初めての実験となったFermilab E653では、現在までに10^3を越えるチャーム粒子候補を伴う反応を集めるに至っている。この全自動解析システムの利用による解析能力の向上によって、エマルション実験の分野に新たな道を拓くことができた。","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_12_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"名古屋大学博士学位論文 学位の種類 : 理学博士(課程) 学位授与年月日 : 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