@techreport{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00011096, author = {高塚, 和夫}, month = {Mar}, note = {本研究の目的は、分子の高振動励起状態の性質とそのダイナミックス等に関する基礎的な運動法則を明かにすることである。化学反応や分子振動などを典型例とする分子の運動は、半古典性と、半統計力学的性という最も基本的な運動学的性質が顕著に現われることから量子カオス研究の重要な一分野になっている。本研究で現在までに明かになったことは、概略、以下の通りである:(1)筆者が開発した位相空間経路積分の方法を分子振動の量子化の問題に適用し、状態密度の一般的表式を得た。この際、系が可積分の場合には所謂EBK条件が得られ、非可積分(カオス)の場合には、Gutzwillerの式を拡張したものが得られた。更に、非可積分系は、二つの場合に分けられる。系が不安定な周期軌道を持つ場合には、状態密度は、それらの軌道のエネルギ-位置でロ-レンツ型ピ-クを持ち、その高さは軌道の安定度に逆比例する。一方、安定な周期軌道を持つ場合には、共鳴型の量子条件を持つ事が統一的に示された。特に後者の場合、現に実験で得られている準カオス系のスペクトルの解釈に重要な示唆を与えるものとなっている。 (2)可積分系の場合、分子の作用変数を実際的に計算する手法を位相空間の幾何学に基づいて開発した。これにより、相当大きな分子の振動量子化が行なえるようになった。これに関連して、高速フ-リエ変換のスペクトルから精度の高い周波数と振幅を計算するアルゴリズムを同時に開発した。更に、作用変数の近似概念として擬作用変数というものを定義した。擬作用変数はカオス系では連続スペクトルを与えるが、これを調ベることにより、位相空間内で異なる多様体が接合することによる連続スペクトルの発生や引込現象に類似のスペクトルの存在などを見いだした。また、この理論を使って一次共鳴の研究等が現在も進行中である。, 科学研究費補助金 研究種目:一般研究(C) 課題番号:01540396 研究代表者:高塚 和夫 研究期間:1989-1990年度}, title = {高振動励起分子の性質とダイナミックスの理論的研究}, year = {1991} }