@techreport{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00011119, author = {石坂, 隆}, month = {Mar}, note = {北アルプスの乗鞍岳で(高度:2770m)、1991年と1992年の夏季に霧水の酸性化に関与するガス、エアロゾルと霧水の化学組成を観測し、次の結果を見出した:(1)都市域から遠く離れた山岳においても酸性化された霧水が頻繁に観測され、霧水のpH値は最低3.30にも達していた。粒径別に分けた霧水のpH値は小さい粒径の霧水ほど低く、直径約3.6μm近辺の霧粒の最低値は3.03であった。(2)霧水中の陰イオンの主成分は SO_4^<2->とNO_3-であり、特にSO_4^<2->の寄与が大きかった。霧水中のいくつかの成分は霧水の濃度にほゞ逆比例して変化したが、SO_4^<2->は霧水の増加による希釈度よりも高い濃度で変化した。粒径別霧水中の各種成分の濃度は粒径の小さい霧粒が大きいものと比べて一般に高く、霧粒の形成時におけるガスとエアロゾルの大きな影響が示唆された。(3)SO_2濃度は0.4-0.0ppbの範囲で変化したが、日中高く夜間低くなることから下層大気からの流入によるものと考えられた。(4)SO_2の霧水中での酸化剤としては、霧水中に過酸化水素が高濃度(1-3μg/ml)検出されたことから、特に過酸化水素が重要であると推定された。一方、オゾン濃度は時間に関係なく20-40ppbで、酸性霧の出現とほとんど関係なかった。(5)霧発生前後のエアロゾルはその組成比からその多くが(NH_4)_2SO_4から成ると推定された。(6)このため、霧水中のNH_4^+がすべてエアロゾルからの寄与と仮定し、霧水中のSO_4^<2->の起源の割合を調べた。その結果、小さい霧粒中のSO_4^<2->の約半分以上がエアロゾル以外であると概算された。エアロゾルの指標としてCaやMgも採用し、その起源の割合を調べたが、バラツキが大きかった。霧水中のエアロゾル以外のSO_4^<2->は下層大気から運ばれたSO_2の霧粒への溶け込みさらに H_2O_2による液相酸化によるものと考えられる。一方、NO_3-は主にHNO_3ガスの霧粒への溶け込みによるものと推定され、強い酸性霧の形成時に増加した。, 科学研究費補助金 研究種目:一般研究(C) 課題番号:03804024 研究代表者:石坂 隆 研究期間:1991-1992年度}, title = {霧水の粒径別化学組成とその生成に関する研究}, year = {1993} }