@techreport{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00011158, author = {佐々木, 勝寛}, month = {Mar}, note = {酸化物高温超伝導体の磁束量子のPancake理論の予測として、外部磁場により誘起されたflux lineの周囲に多数のvortex-antivortex pairが形成がある。磁気力顕微鏡は、外部に出た磁束線を感じることが出来、flux lineの検出に有効である。本研究では、申請者が開発した極低温走査トンネル顕微鏡をさらに改良し、プロ-ブにトンネル電流と磁気力の双方を検出させる能力をもたせることを目的とする。まず前年度は、高温超伝導体の磁束格子を観察する極低温走査トンネル・磁気力顕微鏡装置を設計するに当たり、探針と試料の相互作用のシミュレ-ションを行い、実験に必要な最適性能を見積もった。また、既存のSTMにおいては、(1)真空系の改良を行い、タ-ボ分子ポンプを使用して試料室内を 10^<-5>Torrの真空度が保てるようにした。(2)電子回路におけるア-スノイズの低減が必要となった。このため、デジタル回路とアナログ回路間の信号線とア-ス線にフェライトコアを入れて高周波抵抗を増大させることにより、制御用コンピュ-タよりア-スラインを通じて伝送されていたクロックノイズを低減させた。さらに、探針先端の加工の基礎実験として、FIBによる金属膜の研磨条件を調べた。新たに制作するMFM機能に関しては、レ-ザ-干渉計の組立の過程において、光ファイバ-へのレ-ザ-光の採り入れ取り出し部の調整法の開発を行った。本年度は、昨年度に続き光学系の完成を行い、干渉計の機能の作成、及び調整を行った。その結果、AFM機能として水平垂直分解能として10nm台の精度が得られた。また、干渉計部分にカンチレバ-を装着し、フォ-スカ-ブを得ることに成功した。完成したMFM機能部分を制御する制御用ソフトの開発を行った。また、更なる分解能の向上のため、MFM用カンチレバ-をFIBを用いて研磨する方法を探った。その結果、最高分解能で、MFMとして100nm台の分解能が得られる可能性が示唆された。この結果、当初計画していた、極低温走査トンネル顕微鏡をさらに改良し、プロ-ブにトンネル電流と磁気力の双方を検出させる能力をもたせるための技術的問題点は、ほぼすべて解決した。しかし、研究者の学内における所属替えに伴い、装置の分解、移動、再組立、調整に手間取り大きな時間的ロスを生じ、また移動後の環境が非常に悪く空気中の塵が非常に多く、レ-ザ-ビ-ムを断続的に遮るため空気清浄施設を購入する必要に駆られた。新たに遮光設備を作る必要が生じたため、最終目的である、実際の試料の観察には至らなかった。本研究により、目的のメカニカルな機能部分は完成したので、残る部分は制御のためのソフトウエアの開発である。これに関しては設備費などが必要ないので、今後も継続して開発を進めていくことが出来る。今後ソフトウエアの充実を図り、実際の試料の観察デ-タを積み重ねていきたい。, 科学研究費補助金 研究種目:試験研究(B) 課題番号:06555177 研究代表者:佐々木 勝寛 研究期間:1994-1995年度}, title = {極低温走査トンネル・磁気力顕微鏡による高温超伝導体の磁束格子の観察法の開発}, year = {1996} }