@techreport{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00011183, author = {田村, 均}, month = {Mar}, note = {本研究においては、6件の研究成果がすでに公表され(うち1件は印刷中)、すべて成果報告書に収録された。第一は、論文「ジョン・ロックの自然科学の哲学」。この論文は、従来のロック解釈が、内なる表象から外なる実在へ、という近世認識論の通念的問題設定に囚われており、個別的経験から理論へというロック本来の問題設定を見損なっていると指摘した。第二は、論文「経験的知識の成立-所与・効用・社会」。この論文は、理性主義とは異なる経験論の知識概念が、自然探求のスキル・知識の有用性・社会的承認という三つの根拠によって支えられていることを明らかにした。第三は、論文「感覚する個人-センス・デ- タ論批判と自然主義」。この論文は、古典的経験論を現代の認識分析と対比し、現代の認識分析が陥った隘路を脱出する手がかりは、むしろ古典的経験論の再興にあることを指摘した。第四は、論文「哲学的認識論はいつから科学オンチになったのか?」。この論文は、西洋近世哲学の認識論の通念的定型が古典的経験論の歴史的に正確な姿とはかけ離れた反科学的な概念枠に基づいていることを指摘し、真の古典的経験論は現実の科学活動を捉える正しい概念枠を提供していたことを明らかにした。第五は、米国で行われたヒュ-ム・ソサエティでの口頭発表(論文は発表資料集に収録)"The Modern Concept of Man and Hume on Personal Identity"。この論文は、古典的経験論が、社会化された自然主義の方向へとヒュ-ムによって展開される経緯を論じており、現代の知識社会学や社会人類学の見解とヒュ-ムの経験論とが本質的な相似性を持つことを指摘した。第六は、論文「デカルトとイギリス経験論」(印刷中)。この論文は、古典的経験論が、デカルト主義的な枠組みに依拠しつつ、どの側面で根本的にデカルトと異なる思考の枠組みを作り上げたのかを、ロバ-ト・ボイルとジョン・ロックの著作に基づいて実証的に示した。, 科学研究費補助金 研究種目:基盤研究(C) 課題番号:07801002 研究代表者:田村 均 研究期間:1995-1997年度}, title = {17世紀後半のイングランドにおける実験的自然学の成立と近代的認識論の形成}, year = {1998} }