@techreport{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00011253, author = {森, 英利 and 安田, 啓司}, month = {Mar}, note = {地熱エネルギーを本格的な地域開発に利用するシステムを経済的に確立する上で、地熱水中の溶解成分による熱水輸送管や各種機器壁に発生するスケーリングへの対策が最重要課題と認識されている。本研究では、システム阻害の最大要因となるシリカスケールを中心にスケール生成機構を化学工学的アプローチによって解析し、その知見を基に、スケール析出を抑止するシステム開発に寄与する基礎データを提供することを目的としている。14年度の研究では主に模擬熱水に対するシリカ重合速度論を、また15年度では実際の地熱原熱水に対するシリカ重合速度論を系統的に検討し、重合速度に及ぼす地熱水の物理化学的性質の影響を中心に考察を行った。また熱水輸送管や熱交換システムに付着するスケール成分の分析およびスケール抑止技術に関する実態調査を行い、各技術についてプロセスおよび設備設計の難易度、薬剤使用の場合の薬剤コスト、期待されるスケール抑止効果、還元井の保全機能、回収成分の処理およびコスト等の観点より評価を行った。その結果、新しいスケール抑止技術としてシード添加法および超音波照射法を提案し、その最適設計のための基礎実験を系統的に行った。シード添加法では、熱水中のケイ酸濃度の変化をモリブデンイエロー法によって測定して吸着曲線を求め、吸着速度式および速度定数の温度依存性より活性化エネルギーを算出し、シード添加量の最適設計の基礎資料として提供した。算出した活性化エネルギーは約5〜8kcal/molで、速度定数と初期過飽和度との明確な関係も明らかにした。また種々な溶存イオン共存下での重合速度およびシードへの吸着特性に関して、pH値依存性の観点より系統的な実験を行い、各イオンの影響を明らかにした。一方、超音波照射によるスケール抑止に関する基礎実験を行い、照射エネルギーと抑止効果および最適照射条件を中心に検討を行った。なお本実験の対象スケールには、研究代表者が既にその析出機構を明らかにしている硫酸カルシウムを使用した(Mori, H.et al., J.Chem.Eng.Japan, vol.29,166-173,1996)。その結果、スケールの核生成期間における超音波照射が極めて有効であることが明らかになり、周期的な超音波の間欠照射によりスケール生成を長期間にわたって抑止できることを明らかにした。超音波照射の効果は、スケールの核生成を物理的に抑止するものであり、地熱水におけるシリカスケール抑止技術としても適用が可能である。この成果は論文としてまとめられ、化学工学論文集に掲載が決定している。またヒートパイプによる地熱水のエネルギー利用に関連して、パイプ内での熱水移動が行われるウィック内の飽和および不飽和流れに関する実験を行った。その結果、ウィックの毛管ポテンシャル曲線を基に不飽和透過率、不飽和定常流、および飽和流れの摩擦係数などが精度よく推定できることを明らかにした。この成果は J.Chem.Eng.Japan誌に掲載された。さらにウィック内の流れを簡便に推測する解析法を提案し、ウィック装着条件によらず適用できることを実験的に明らかにし、その成果も同誌への投稿を準備している。, 科学研究費補助金 研究種目:基盤研究(C)(2)14550735 課題番号: 研究代表者:森 英利 研究期間:2002-2003年度}, title = {地熱エネルギー利用システムにおけるシリカスケール抑止技術の開発}, year = {2004} }