@techreport{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00011261, author = {金山, 弥平}, month = {Mar}, note = {1.本研究による成果の一つは、セクストス・エンペイリコス『学者たちへの論駁』第1巻-第6巻翻訳の完成出版である。また翻訳を通して次の点を確認した。セクストスは、「仮設」に相当するギリシア語hypothesisの意味を細かく区別してから、批判にとりかかる。これは懐疑主義者の論法と関係している。古代懐疑主義にとって実生活と密接に関係し、その基盤となるような事柄は懐疑の対象とならず、特別の知を自認する立場が攻撃の対象となるから、言葉の意味においても日常的意味と、特別の哲学的意味を区別する必要があるのである。とくに「証明の原理」の意味でのhypothesisは、まさしく知識の基礎を構成する原理(出発点)の役割をもつため、特別の意味でセクストスによる批判の対象となる。 2.また幾何学に関しては、プラトン、アリストテレス、ユークリッドの仮設使用の比較を行なった。しばしば後二者の仮設使用は、プラトンのそれとは異なるかのように解釈されているが、むしろ「仮設」の基本的役割には相違ないことを確認した。 3.プラトン『パイドン』の仮設法の実際を明らかにするとともに、『メノン』における想起説と仮設法の関係については次の知見を得た。(1)想起説はメノンのパラドクスに対する答えとして提出されているが、パラドクスは、「探求開始不可能の議論」「探求続行不可能の議論」「探求成功不可能の議論」の三つの議論をすべて含んでいる。(2)想起説が直接の答えになっているのは、「探求続行不可能の議論」と「発見不可能の議論」である。(3)「ラリサへの道」の譬えは、従来、knowledge by acquaintance(直接知)として「知」を理解するプラトンの立場を示すものとみなされてきたが、むしろ、原因(根拠)を求めての探求との関連で理解されるべきである。, 科学研究費補助金 研究種目:基盤研究(C)(2) 課題番号:14510010 研究代表者:金山 弥平 研究期間:2002-2004年度}, title = {西洋古代における哲学・医学・数学・懐疑主義による仮設法使用の比較研究}, year = {2005} }