@techreport{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00011279, author = {釘貫, 亨}, month = {Apr}, note = {形容詞は名詞修飾に主たる機能を持つ。形容詞に限らず、名詞を状態的に修飾する揚合は形容詞的用法である。動詞の形容詞的用法には「流れる水」のような現在分詞的なものと「忘れられた事実」のような過去分詞的なものとがある。このうち前者の用法は、奈良時代から自動詞を資源として発達したが、後者は日本語独自のヴォイスの仕組みと受け身文の特徴が干渉して、成立が大幅に遅れた。本研究では、「失われた時間」「破られた記録」のような、他動詞を資源とし、これに受け身助辞が接続して自動詞に転換する過去分詞的用法の歴史的成立を通史的に解明した。かかる観点での研究は従来になかったものである。「他動詞・受け身・過去(タル)・名詞」の連接は、助辞ユ・ラユが未発達だった奈良時代に存在せず、ル・ラル成立後の平安時代に成立したが、文脈から自立した「忘れられた事実」のような形容詞的用法は成立しなかった。本研究ではその成立が近世期に下ることを明らかにしたが、それでも伝統的受け身文が干渉して「離縁された嫁」のような迷惑文の枠組みの中での成立であった。迷惑と無関係な「開かれた社会」のような広い用法を確立するのが明治期の欧文翻訳における過去分詞による名詞修飾の翻訳を通じてであったことを最終的に証明した。かかる観点からの研究は、従来に存在しない。, 科学研究費補助金 研究種目:基盤研究(C) 課題番号:16520276 研究代表者:釘貫 亨 研究期間:2004-2007年度}, title = {古代日本語における述語形容詞化用法としての名詞修飾機能に関する統語構造論的研究}, year = {2008} }