@phdthesis{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00012921, author = {水野, 雅彦}, month = {Dec}, note = {タイヤは車両重量を支え地面と接触しながら,かつ自動車が発生する力を路面に伝達する,あるいは路面とタイヤの間で発生する力を車両に伝達する,自動車を構成する非常に重要な部品の一つである.近年の車両制御技術の発展に伴い,タイヤで発生する力がどのようになっているかを知ることは非常に重要になってきている.制御技術も単純に前後力のみをコントロールするABS (Anti Brake-lock System) だけではなく, Direct Yaw Control技術や4輪操舵車,あるいは車両の姿勢制御や荷重制御などのサスペンション制御まで加わってきているため,これらが複合的に組み合わさった場合のタイヤ特性もこれら装置開発の性能予測には重要な要因となってきている. しかしながら,タイヤの構造はゴムと複合材料を主体とした非常に複雑な構造から 成り立っており,かつ多くの空気入りタイヤの場合は充填されている空気圧の影響,また走行時には路面間の滑りや摩擦,回転しているタイヤ事態の影響や熱,摩耗などの多岐にわたった影響があることから,このタイヤから発生する力を予測することはきわめて困難である.そのため,モデル化の手法も多岐にわたっている.タイヤモデルを分類すると,主に三つの領域に分けられる.一つは単純化された物理特性モデルである.これはタイヤの特性を比較的簡単な物理特性値で表しモデル化する手法で,代表的なモデルとして“Brush Model”があげられる.このモデルは解析的なアプローチがとりやすい反面,タイヤの特性を代表的な物理特性値でおいている関係上,非線形な特性が表しにくく,特性を表現する適用範囲も限定される.次に,FEM(Finite Elements Model) に代表される複雑な物理モデルで,これらはタイヤの設計などに用いられているものの,車両設計あるいは車両運動解析に用いるには非常に計算規模が大きくなりかつ計算時間がかかることから現実的には用いられていない.最後に,実験同定モデルがあげられる.これは,実験データを元にタイヤ特性を特徴付けられた近似式に表す手法で,この代表的な手法として“Magic Formula” と呼ばれるモデルがある.この手法では,実際に計算に用いられる領域のタイヤデータを試験機などで計測することでモデルを作成することから,計測するタイヤを実荷重・実速度の条件下で 試験できる試験機や,これを用いた計測データがないとモデルが作成できない. 以上のような観点から,本研究では車両運動解析などに用いることができるタイヤモデルを構築するため,実験同定モデルをベースに(1) 実車で計測したタイヤデータを用いてモデルを構築する手法の開発,実験同定モデルに単純化された物理特性モデルを組み合わせ(2) タイヤ表面あるいは路面の温度の影響を考慮したモデルの開発とそれを用いたシミュレーション結果の比較,(3) 実車や試験機で比較的計測しやすいPure Slip Conditionと呼ばれるタイヤスリップ率の変化あるいはスリップ角の変化のみから 得られるデータを用いてスリップ率とスリップ角が両方変化する場合の特性を予測する手法を開発し,この手法を用いて計測したタイヤモデルとの比較により,実験データの削減と実環境領域でのモデルの精度向上を目指す車両運動解析用タイヤモデルの研究を行う., 名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(工学)(論文)学位授与年月日:平成22年12月28日}, school = {名古屋大学, Nagoya University}, title = {車両運動解析用タイヤモデルに関する研究}, year = {2010} }