@phdthesis{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00013039, author = {市ノ瀬, 慎一}, month = {Aug}, note = {金属中の局在スピンの問題は、Kondo効果の発見以来、固体電子論の中に於ても、とりわけ、金属電子の局所的な電子相関という視点から、広く、かつ、深く研究されてきた。近年になって、繰込み群の方法を指導原理とするWilsonの理論、Landauのフェルミ液体論の精神を受け継いだNozieresのフェルミ液体論的現象論、そして、YamadaとYosidaによるAnderson模型の摂動展開理論が提出されるに及んで、その本質的な部分は解明された。これらの研究を通じて、局所スピンの物理的描像に関して、明らかにされたことを、論文の前半部において、まとめた。他方、超伝導体における磁性不純物効果の研究も、その歴史は古く、Abrikosov-Gor'kov理論以来、多くの理論的な積み重ねがあった。その中で、Anderson模型にもとづくHartree-Fock理論と、s-α模型に立却して、Kondo効果を議論したMZ-Makiの理論が大きな位置を占める。論文の中半部で、これらの理論の諸帰結とその問題点について、批判検討を加えた。 後半部で、これらの理論がもつ欠陥が、不純物の電子状態を正しく捉えていないことにあることを指摘し、それをのり越える方法として、内挿理論的なアプローチがあることを主張した。この理論は、高温領域で信用できると思われるMZ-Maki理論と、低温領域での理論、すなわちYamada-Yosida理論の結果を用いて、構成したものとを、一つの理論的なわく組みの中に取込んで、磁性不純物の全領域を統一的に記述することを目指した理論の一つであると言える。特に特徴的なことは、系の状態を規定する重要なパラメタTkとTcoとの比を連続的に変えてゆくと、磁性不純物の状態が磁性的状態から非磁性的状態へなめらかに移り変わって行く現象が、超伝導体の諸量を通じて、具体的に捉え得る点である。 最後に、より広い立場から、Kondo効果の意義について触れた。, 名古屋大学博士学位論文 学位の種類:理学博士 (論文) 学位授与年月日:昭和52年8月5日}, school = {名古屋大学, Nagoya University}, title = {超伝導体における近藤効果の理論}, year = {1977} }