@phdthesis{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00001356, author = {杉村, 泰 and Sugimura, Yasushi}, month = {Dec}, note = {本研究は現代日本語における「蓋然性を表す副詞」について、モダリティ論の立場か ら意味記述を行なったものである。従来、蓋然性を表す副詞は、蓋然性の高いものか ら低いものへと一次元的なスケールの上に並んでいると捉えられてきた(カナラズ→ キット→タブン→モシカスルト→ヒョットスルト)。これに対し、本研究では同じ 「蓋然性を表す副詞」でも主観性の観点から違いのあることに着目し、「カナラズ」 や「キマッテ」が命題副詞であるのに対し、「キット」や「タブン」などはモダリテ ィ副詞であることを明らかにした。また、先行研究では「キット~ニチガイナイ」や 「ドウモ~ヨウダ」などの共起を根拠に、「キット」と「ニチガイナイ」はともに蓋 然性の高いことを表し、「ドウモ」と「ヨウダ」はともに根拠のある推量を表すとい った説明がなされてきた。しかし、「キット」は必ずし常に「ニチガイナイ」とのみ 共起するわけでなく、「ダロウ」や「ダ/φ」とも共起するし、「ドウモ」も「ヨウ ダ」のみでなく「ラシイ」とも共起する。従って、副詞と文末形式は互いに独立した 意味を担っていると考えられる。このことから、本研究ではまず副詞の意味とは独立 に文末形式の意味について再分析した。その結果、1.一般に蓋然性の高さの違いとさ れる「カモシレナイ」と「ニチガイナイ」であるが、主観性の点で違いのあること、 2.「カモシレナイ」は「ニチガイナイ」よりもむしろ「ダ/φ」に近い性質を示すこ と、3.推量判断の「ヨウダ」は比況の「ヨウダ」から説明され、推量判断の「ラシ イ」は伝聞の「ラシイ」から説明されること、4.「ダロウ」は認識や推量判断のため の証拠が不足していることを述べる表現であることを明らかにした。また、一般にモ ダリティ表現とされる「ソウダ」や「ベキダ」が命題表現であることも明らかにし た。ついで、副詞と文末形式の共起を丹念に見ることにより、これらの副詞が単に蓋 然性の高さの違いによって区別されるのではなく、主観性の違い(命題、モダリテ ィ)、使われる文の種類の違い(推量文、意志文、命令文、勧誘文、認識文、想起 文)、判断の根拠の違い(直感によるか、裏付けとなる根拠に基づくか、共感による か、過去の記憶の想起によるか)、発話の前提を必要とするか、といった観点から区 別されることを明らかにした。, 名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(学術) (課程) 学位授与年月日:平成12年12月5日}, school = {名古屋大学}, title = {現代日本語における蓋然性を表す副詞の研究}, year = {2000} }