@mastersthesis{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00001360, author = {杉村, 泰 and Sugimura, Yasushi}, month = {}, note = {本研究は日本語の「テアル構文」の意味について分析したものである。従来テアル構 文は、益岡(1987)が「意志的行為の結果に重点が置かれる『結果相』の表現」と定 義したように、動作主の「意志的行為」という側面が強調されてきた。たしかに、 (1)「私は本を読んである。」のような文は、何かの「目的」のためという動作主 の「意志」が入っている。しかし、(2)「アッ、本が置いてある。」のような文 は、動作主が意志的に本を置いた場合にも使われるが、うっかり置き忘れてしまった 場合にも使われる。とすれば、テアル構文は「意志性」と無関係であることになる。 しかし、(1)のような文が「意志性」と深く関わっていることも否定できない。そ こで本研究ではテアル構文を「~ガ~テアル」構文と「~ヲ/ニ/ト/φ~テアル」 構文の2種類に分けて考えた。前者は眼前の情景を描写する文で、(2)「アッ、本 が置いてある。」のように「対象」をガ格で示す構文である。眼前の情景は動作主の 意志によって生じる場合もあればそうでない場合もあるため、「影響性」のみ関与し 「意志性」とは無関係である。一方、後者は動作主が何らかの「目的」のために行っ た行為を描写する文で、(1)「私は本を読んである。」のように「動作主」をガ格 で示す構文である。これは動作主が「目的」意識を持って行う行為であるため、「影 響性」のみでなく「意志性」も関与する。本研究では、こうした特徴は「テアル」と いう形式自体に備わっているのではなく、テアルを包み込む「構文」に備わったもの であることを指摘した。その結果、テアル構文全体は「行為の結果の『結果相』」を 表し、それが2つのテアル構文においてそれぞれ特有の意味を表す様子を明らかにし た。また、これら2つのテアル構文の連続性については、従来指摘されていた「影響 性」に加え「動作主の人称制限」も関わっていることを明らかにした。, 名古屋大学大学院文学研究科 日本言語文化専攻 93M58 修士論文}, school = {名古屋大学, NAGOYA University}, title = {テアル構文の研究}, year = {1995} }