@article{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:02001393, author = {千葉, 軒士}, journal = {Nagoya Linguistics, 名古屋言語研究}, month = {Mar}, note = {島根県松江市方言の「ナル」は、発話者と対象との親密さを示すために、友人・知人を対象に用いられる待遇表現である。ただし、この場合、最も親しいと考えられる家族と親しくないはずの他人がともにナルの使用対象外となってしまう。この事象に、さらにそもそも待遇表現が有する性質も加えて考えると、ナルの使い分けには[家族-選択的不使用(意図的に使用を避ける)/友人・知人・使用/他人・非使用(そもそも使用が適当ではない)]の3種があることがわかる。また、発話者から対象が不可視の場合には対象が家族であってもナルが用いられる。これは対象との心的距離と物理的距離が密接な関係にあるためである。音声でしか状況を判断できない不可視(物理的距離の判別が不可能)の状況では、ナルを使わないことが、選択的不使用と非使用という親疎の両極にあたる形のどちらによるものかが判別しづらい。よって、不可視の場合には、ナルを積極的に使用することで、実態とは多少異なるものの、親しい対象である(心的距離が近い)ことを明示することを優先していると考えられる。}, pages = {1--10}, title = {松江市方言「ナル」の可視性による使い分けについて}, volume = {10}, year = {2016} }