@article{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00021002, author = {鶴田, 涼子 and TSURUTA, Ryoko}, journal = {名古屋大学人文科学研究}, month = {Mar}, note = {『唄う骨』KHM 28 Der singende Knochenは,殺された者の骨によって真実が明らかとなるお話で,世界中に分布していることが確認されている.これをグリムのメルヒェンのひとつとして意識的に読んでいくと,この話の結末から,読者は安堵感を得ることができるが,どこか切なさを振り切ることができない,という点で,他の多くのグリムのメルヒェンと,読後感が異なることが指摘できる.国の平安のためにイノシシ狩りを求める王,これに名のり出る二人の兄弟,兄弟の確執,真実の証明と遺骨の安置,振り返られることの発端,これらの連鎖する個々のモティーフは,幸せな結末で読者を楽しませるのではなく,どのような悪事も,明るみにでずにはいないことを,読者に教えるものである.獰猛な獣に立ち向かう弟と,それに対置される,ずる賢く生きる兄は,最終的にあるべき姿をとる.この話において,異質な読後感を生み出す源は,グリムのメルヒェンという枠に制限されない,昔語りにある.}, pages = {1--14}, title = {グリムのメルヒェン『唄う骨』(KHM28)の異質性について : もうひとつのモティーフ}, volume = {39}, year = {2010} }