@article{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00002238, author = {FUNAHASHI, Atsushi}, journal = {名古屋大學教育學部紀要. 教育心理学科}, month = {Dec}, note = {痛みの抑制(無痛覚; analgesia)はReynolds(1969)の導管周辺部の電気刺激実験やSamanin and Valzelli(1971)の縫線核の電気刺激実験によって,そのメカニズムの神経解剖学的および薬理学的な背景が明らかにされつつある。また,Akilら(1976)が急性ストレスがラットの体内の阿片様ペプタイドを増加させ,痛みを減少させ,その効果がナロキソンで洋転しうることを発見してから,痛みとストレスの関連がストレスにより引き起こされる無痛覚(stress analgesia)として注目されてきている。本論文では,痛みの生理学的および解剖学的基礎を痛覚の伝導経路,痛覚を伝える神経線維の種類,痛みの主要3種(早い痛み,遅い痛み,内臓痛および身体深部の痛み)などについてレビューし,痛みや炎症を起こす物質,ヒスタミン(histamine),ブラディキニン(bradykinin)プロスタグランディンス Eタイプ(Prosta-grlandins E)セロトニン(serotonin),P物質(substance P)と痛覚過敏(Hyperalgesia)との薬理学的メカニズムが示された。さらに痛覚の抑制とストレスによる無痛覚の現象が神経化学的および神経解剖的側面から論じられ,スドレスによる無痛覚と内因性オピオイド(生体内で分泌される阿片様物質)の関連性が述べられた。次にストレスと感受性(罹患性)が内分泌系のACTHおよびコーチゾールの分泌及びそれらの免疫抑制作用の側面から述べられ,ステロイドホルモンに感染への感受性を高める(病気にかかりやすくなる)作用のあることが指摘された。そしてストレスと免疫系の関係が胸腺リンパ球と抗体の合成機能を有する骨髄リンパ球についてTyreyら(1972)の実験にみられるような前部視床下部の破壊が抗体価を減少されるという観点から論じられた。また,神経伝達物質と免疫糸の関係がAMP(アデノシン-燐酸)とGMP(グアノシン-燐酸)の働きの側面から検討され,カテコールアミンはサイクリックAMPを,そしてアセチルコリンはサイクリックGMPをそれぞれ媒介として免疫系の反応に影響をおよぼす可能性が示唆された。ストレスによる無痛覚と免疫系の相互作用は現在のところ強力な実験知見が得られていないが非常に興味深い課題である。ストレスによる無痛覚と免疫系は薬理学的にも,また神経分泌学的にもメカニズムやその時継列上の特徴が異なるが,炎症や免疫性反応に関するサイクリックAMPとサイクリックGMPの細胞レベルのメカニズムを追求することにより,ストレスによる無痛覚の神経薬理学的なメカニズムがより深められると考えられる。, 国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。}, pages = {43--50}, title = {Pain and stress : Theoretical perspectives of interaction with the immune and endocrine systems}, volume = {31}, year = {1984} }