@article{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00002350, author = {都築, 誉史 and TSUZUKI, Takashi}, journal = {名古屋大學教育學部紀要. 教育心理学科}, month = {}, note = {本論文では, 文記憶, 文理解, 発話産出に関する活性化拡大理論についてレビューした。活性化拡大理論は, 内的表象に焦点を当てた場合, ネットワークモデルと特徴モデルとに2分することができる。特に後者は近年, 並列分散処理(PDP)モデル(McClelland & Rumelhart, 1986)として発展してきている。まず, 文記憶について, ACT^*モデル(Anderson, 1983)とPDPモデルとを比較すると, 連続的な活性化の拡大メカニズムに関しては, 両者に共通点を見い出すことができる。しかしながら, 抑制メカニズムについては, ACT^*モデルは減衰パラメータのみによって制御されているのに対し, PDPモデルではそれに加えて, 促進的結合と抑制的結合とが仮定されている。次に, 文理解について, 多様な機能を有するメンタル・ノードのネットワークを仮定するノード構造理論(MacKay, 1987a)とPDPモデル(McClelland & Kawamoto, 1986)とを比較した。特に, 文脈上の多義性を解消するプロセスに関して, Kintsch (1987)のモデルを介して両者を比較した。最後に, スピーチ・エラーの観点から, 発話産出に関する活性化拡大理論について検討した。ノード構造理論によれば, スピーチ・エラーは, プライミングにおける活性化・自己抑制サイクルのゆらぎとして把握される。一方, Dell (1986)のモデルによれば, スピーチ・エラーは, 階層的ネットワーク表象において, 活性化の拡大によって起動されるフレーム・スロット規則の適用の失敗としてとらえられる。上記のように, 活性化拡大理論は様々な観点からモデル化がなされているが, 内的表象の性質, 活性化・抑制メカニズム, 制御規則の3点から考察を加えることができる。また, 活性化・抑制メカニズムと制御規則は, ボトムアップ規則とトップダウン規則に各々対応している。全体のまとめとして, 文の記憶, 理解, 産出といった問題を扱う場合に, どのレベルの内的表象が適切であるかについて議論し, さらに, PDPモデルのように, 基本的にはボトムアップ規則のみを用いるアプローチと, 他のモデルのようにトップダウン規則をも併用するアプローチとを比較検討した。そして, 内的表象, 活性化・抑制メカニズム, 制御規則間の複雑な相互作用をモデル化する上で, コンピュータ・シミュレーションの意義について言及した。, 国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。}, pages = {67--84}, title = {<原著>文記憶, 文理解, 発話産出における活性化拡大理論}, volume = {35}, year = {1988} }