@phdthesis{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00004785, author = {松原, 輝男 and Matsubara, Teruo}, month = {Mar}, note = {Pseudomonas denitrificans, Alcaligenes faecalis, 及びPseudomonas stutzeri の脱窒反応について研究した。これら3種の細菌では、亜硝酸から窒素に至るまでの中間産物としてN2Oが考えられることを、ワールブルグ検圧法とガスクロマトグラフィーを併用して、いろいろな条件で生産されるガスの分析を行った結果により論じた。Pseudomonas denitrificans による亜硝酸還元反応の第一の生産物はNOであることは以前から分かっていたので、ここに、Pseudomonas denitrificans の脱窒反応経路として、NO2- →NO → N2O → N2 のように考えられるようになった。Pseudomonas denitrificans の場合と比較しながら、Alcaligenes faecalis と Pseudomonas stutzeri の脱窒系について研究し、これらも同じように、NO2- →NO → N2O → N2のように反応を行っていると考えられる結果を得た。亜硝酸から窒素に至る各反応段階のうち、亜硝酸還元(NO2- → NO)の段階は、Alcaligenes faecalis について研究した。この菌の亜硝酸還元酵素は、Pseudomonas aeruginosa と似た、分子量約90,000のチトクロームcd一型のものであることがわかった。この反応段階の性質を、それぞれの菌と比較して論じた。Pseudomonas denitrificans のNO-還元系(NO → N2O)の一般的性質をしらべ、これは顆粒結合性の酵素系であることがわかった。顆粒結合性であるために、その実体は分からなかったが、Alcaligenes faecalis のNO-還元酵素系をしらべたところ、本質的にはやはり顆粒結合性であるが、音波破壊法によって細胞を壊した抽出液の可溶性分画に、いくぶん存在していることがわかり、この酵素のより詳細な研究のみとうしをつけた。最後のN2OからN2の反応段階は、細胞を破壊すると、その活性が全くみられなくなり、結局、亜硝酸からはN2Oしか生産されない。このような性質を有するために、最も研究が困難であることは、3種の細菌について同様であった。もっぱら生菌においてこの反応段階の性質はしらべられた。Pseudomonas denitrificans において、NH2OHと亜硝酸が反応してN2Oを生産する反応を解析し、NH2OHは正常な脱窒反応には無関係であると結論できる結果を得た。Alcaligenes faecalis やPseudomonas stutzeri では、NH2OHが生産されるガスのN-源になるどころではなく、正常な脱窒反応即ち亜硝酸還元に対して阻害効果をもつ。これは、亜硝酸還元酵素の違いを反映しているのではないかと考えられた。すなわち、Pseudomonas denitrificans の亜硝酸還元酵素は銅タンパク質型であるが故に、NH2OHを代謝できるが、Alcaligenes faecalis や Pseudomonas stutzeri のそれは、チトクロームcd型で、そのような酵素をもつものはNH2OHを代謝できない。これらのことを比較生化学的観点から論じた。N2Oで嫌気的に生育したPseudomonas denitrificans の脱窒反応活性及び、いくつかの電子伝達系成分の含量について、他のいろいろな条件で生育した菌のそれらと比較研究した。N2Oで生育した菌には、高いN2O還元活性があり、亜硝酸及びNO還元活性はひじょうに低かった。またN2Oで生育した菌には、硝酸で生育した菌の約3倍と2倍ものチトクロームC-553とチトクロームC-552をもっていた。これらが、N2O-還元系に関与する可能性などについて論じた。最後にこれらの研究から、あらたに出てきた、いくつかの興味ある問題点を示した。, 名古屋大学博士学位論文 学位の種類:理学博士 (課程) 学位授与年月日:昭和46年3月25日}, school = {名古屋大学, Nagoya University}, title = {脱窒反応の生理化学的研究}, year = {1971} }