@misc{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00005067, author = {樋田, 美栄子 and Toida, Mieko}, month = {Nov}, note = {磁気音波は、磁場が存在するプラズマにおける、最も基本的な波の一つであり、核融合および宇宙のプラズマにおいて重要な役割を果たしている。このため、非線形磁気音波の伝播と、それに伴う粒子加速については、長年にわたり活発な研究が行なわれてきた。 核融合および宇宙のプラズマには、多くの場合、多種類のイオンが含まれており、このことは、様々な現象を解明するうえで、無視することのできない要素の一つとなっている。しかし、非線形磁気音波に関する、従来の主な理論およびシミュレーション研究は、イオンを1種類と仮定して進められてきた。したがって、従来の研究では不十分であり、多種類イオンの存在を考慮に入れた研究が、強く望まれる。 本研究では、2種類のイオンと電子からなるプラズマ中を、磁場に直角方向に伝播する磁気音波について、非線形の振る舞いを調べた。さらに、それを基にして、非線形磁気音波は軽イオンとは全く異なったメカニズムで、重イオンを加速することを明らかにした。 2種類のイオンが存在すると、磁気音波は低周波モードと高周波モードに分裂する。低周波モードの周波数は、長波長の極限で0に近づく。このモードに対して、従来の逓減摂動法を適用し、非線形の振る舞いを記述する KdV 方程式を導出した。ただし、この KdV 方程式が成立するのは、非常に小振幅の場合に限られる。一方、高周波モードは、有限なカットオフ周波数を持つ。それにもかかわらず、非線形方程式として KdV 方程式が導出されることを、新しい展開法を導入して示した。高周波モードの KdV 方程式は、極めて小振幅の場合は適用できないが、低周波モードのそれに比べると、ずっと広い振幅領域で成立する。 次に、宇宙プラズマと同様の、主成分を軽イオン、副成分を重イオンとするプラズマを仮定し、高周波モードの非線形波におけるイオンの運動を解析した。軽イオンは、1種類イオンプラズマの場合と同様、一部の粒子が磁気音波中に形成される縦電場によって反射され、加速される。それに対し、本論文では、重イオンは全ての粒子が横電場によって加速され得ることを示し、加速された重イオンの速さを定量的に求めた。大振幅磁気音波は、重イオンをおよそ波の伝播速度にまで加速することが可能である。さらに、2種類のイオンと電子の運動、およびそれらに伴う電磁場の変動を全て含んだ、粒子モデルに基づいた計算機シミュレーションを行なって、非線形磁気音波によるイオンの加速を調べた。シミュレーション結果は、軽イオンと重イオンはともに強く加速されること、そしてそれらの加速機構は、全く異なったものであることを、はっきりと表すものであった。また、加速された重イオンの速さの観測値は、理論的な予測と良く一致した。, 名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(理学) (論文) 学位授与年月日:平成7年11月20日}, title = {2種類イオンプラズマ中の非線形磁気音波と重イオン加速}, year = {1995} }