@phdthesis{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00005087, author = {杉田, 千恵子 and Sugita, Chieko}, month = {Mar}, note = {ラン藻は葉緑体の起源生物と考えられているが、その転写と翻訳の分子機構は、これまで単純に大腸菌と同じであると考えられてきたためほとんど研究されてこなかった。本研究はラン藻に特有の遺伝子発現制御に関わる因子を分離固定することを目的として、Synechococcus 6301 株より一本鎖 DNA(ssDNA)カラムを用いて分離した核酸結合性タンパク質のうち、分子量が 12kDa、33kDa、38kDa のタンパク質の構造と機能の解析を行った。得られた結果は次のとおりである。 (1) 12kDa のタンパク質は真核生物型の RNA 結合モチーフを持つ2種類の RNA 結合タンパク質 Rbp1 と Rbp2 であった。これらの機能を調べるため、それぞれのタンパク質をコードする遺伝子破壊株を作製した。その結果、 Rbp1 遺伝子を破壊した株は低温条件での生育が妨げられた。このことは Rbp1 は低温耐性タンパク質である可能性を示している。一方、 Rbp2 遺伝子破壊株は低温条件下でも野生型と同じ増殖を示した。 (2) 38kDa のタンパク質は、葉緑体のリボソームタンパク CS1 および大腸菌のリボソームタンパク S1 と相同なタンパク質であることを明らかにした。しかし、その分子量は葉緑体 CS1 とほぼ同じであるが大腸菌 S1 の3分の2しかない。そこで、これまで報告されている原核生物のリボソームタンパク S1 または S1ホモログの生物種間の多様性について考察した。 (3) 33kDa のタンパク質は、38kDa タンパク質のアミノ酸配列と80.4%の類似性を持つことを明らかにした。2つのタンパク質それぞれの抗体を作製してリボソーム画分と反応させたところ、38kDa タンパク質のみがリボソームタンパク質であり、33kDa タンパク質はリボソームタンパク質ではないことを明らかにした。さらに、両タンパク質の核酸結合特性を比較したところ、38kDa タンパク質は RNA ホモポリマーとの結合が強いのに対し、33kDa タンパク質は RNA ホモポリマーよりも DNA 、特に ssDNA との結合が強いことを明らかにした。また、 mRNA との結合力を2つのタンパク質で比較したところ、33kDa タンパク質は38kDa タンパク質の6分の1であることを明らかにした。これらのことから、33kDa タンパク質は、リボソームタンパク S1 とアミノ酸配列は類似しているが機能は異なる、新規の核酸結合性タンパク質であると同定した。33kDa タンパク質を Nbp1(Nucleic acid binding protein 1)およびその遺伝子を nbp1 と命名した。最後に Nbp1 の機能について考察した。, 名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(理学) (論文) 学位授与年月日:平成12年3月10日}, school = {名古屋大学, Nagoya University}, title = {ラン藻 Synechococcus 6301 の核酸結合性タンパク質に関する研究}, year = {2000} }