@article{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00007017, author = {MARSOEM, Sri Nugroho and マルスム, スリ・ヌグロホ and KIKATA, Yoji and 木方, 洋二}, journal = {名古屋大学農学部演習林報告}, month = {Dec}, note = {6・1・5・1 はじめに : JIS Z2117 : 木材のかたさ試験に準じたブリネルかたさ試験を行った。かたさは強さと並んで加工適性につながる材質評価の指標となりうる重要なものである。また現場における適用も可能な簡易な試験であり今後のデーターの集積が望まれるものである。  6・1・5・2 測定方法 : 試験は生材、気乾材および生材を煮沸処理した煮沸材で行なった。煮沸処理は試験片にしてから4時間行い、その後水中で冷却後湿潤状態で試験を行った。 使用した樹種は7船を中心としたものである。まず樹心部および樹皮部になるべく近い部分をとり、その間を4~5分して、4~5ヶの試験片をとり、樹幹内におけるかたさ分布を求められるようにした。 用いた試験機は前川製作所製のブリネル硬度計で直径10mmの鋼球のめりこみ深さ1/πmmとなる時の荷重Pを求め、次式によりブリネルかたさとする。かたさ= P/10  kg/mm^2     6・1・5・3 結果の検討(1) 比重とかたさ 試験終了後の全試験片より気乾比重(X)を求め、気乾比重と生材、気乾材、煮沸材のかたさ(Y)との間の相関を求めた。rは相関係数を示す。 木工面かたさ 生材  Y=7.81X–0.98  r=0.92 気乾材  Y=13.37X–1.13  r=0.96 煮沸材  Y=7.12X–0.99  r=0.93  板目面かたさ 生材  Y=5.06X-1.48  r=0.88 気乾材  Y=7.85X–2.13  r=0.92 煮沸材  Y=4.65X–1.31  r=0.89  柾目面かたさ 生材  Y=3.84X–1.01  r=0.87 気乾材  Y=5.63X-1.36  r=0.93 煮沸材  Y=4.32 X-1.31  r=0.91 かたさと比重との間には良い相関関係がみられ特に気乾材かたさや、木口面かたさの相関係数は0.9以上を示す。(2) かたさの異方性、異方度と比重次にかたさの異方性を求めるため各試験片における柾目面、板目面、木口面かたさの比を求めた結果を表2に示す。総平均におけるかたさの異方性は柾目面かたさを1.00とした場合、板目面かたさ1.24、木口面かたさ3.54である。かたさは柾目面、板目面、木口面の順に大となる。またかたさの最も小さい柾目面かたさと最も大きい木口面かたさの比をかたさ異方度とし、全試験片について気乾比重(X)と異方度(Y)との間の相関を求めた。rは相関係数を示す。 Y=-3.72X+6.10  r=0.71この結果は重い材ほど異方度が小さいことを示している。(3)かたさの樹幹内分布、かたさ変動比樹幹内における半径方向のかたさ分布を表示するために樹幹の最も樹心に近い位置よりとった試片(半径の約1/5位置)のかたさと最も外側の樹皮に近い位置よりとった試片(樹皮直近)のかたさの比を求めかたさ変動比としてAppendix 6に示した。生材、気乾材、煮沸材における木口、板目、柾目面かたさすべての平均値である。脆心材と思われる極端に比重の低い材が最も内側試験片をなす樹種ではかたさ変動比は大きくなる。また針葉樹材であるPodocarpus, および極めて比重が高く平均気乾比重で1.08を示したMadhuca材ではかたさ変動比が1.00以下となったが、その他の材での変動比は1.2~1.7の間の値を示し、外側ほどかたさは大となる。(4)生材、気乾材、煮沸材かたさ一般にかたさは乾燥することにより増大し、煮沸することにより低下する。生材、気乾材、煮沸材のかたさの対比結果を表3に示す。また各樹種での生材、気乾材、煮沸材のかたさの比を各材面別に平均したものを表3の最下欄に示した。最終的にそれらをまとめて総平均した結果は次のようであった。気乾材かたさ/生材かたさ = 1.70煮沸材かたさ/生材かたさ = 0.95煮沸によるかたさの減少はかたさの大きい木口面かたさで顕著で1:0.89を示したが、かたさの小さい柾目面かたさでは1:1.01となりほとんど変化がない。江草氏により板目面かたさが1.00以下の材では裏われ率の少ないロータリー切削が可能であり、煮沸により板目面かたさが1.00になればこの材は煮沸後ロータリー切削可能であるとの判断がなされている。当初この観点に立って5,6船の材について板目面かたさのみの試験が行なわれた。この試験では樹幹内の分布や木口面、柾目面のかたさは求めていない。5,6,7船を通じて板目面かたさにつき煮沸の効果を求めた結果、煮沸材のかたさの生材かたさに対する比の平均0.95を示した。しかし煮沸によりかたさの増大する樹種の存在することも知られている。今回の試験樹種のうちでもCanarium, Ficus, Ailanthus, Heritieraではかたさは煮沸により増大ないしは不変化であった。その他Lophopetalum, Calophyllum, Dysoxylum, Sandricum, Myristicaceaeの材ではかたさの増大がみられ、またPalaquiumではかたさの増大する個体と減少するものとがみられた。今回の煮沸処理時間は100℃、4時間と短くとったが、江草氏のデーターによると24~144時間の煮沸処理により南洋材では大略60℃で80%、80℃で65%、90℃で55%にかたさは減少するとされる。南洋材は内地材に比し10%ほど低下率は悪く、この範囲では煮沸時間の影響はあまりみられない。, 農林水産研究情報センターで作成したPDFファイルを使用している。}, pages = {202--228}, title = {6.1 Hardness of Sulawesi Woods (6. Other Properties)}, volume = {8}, year = {1984} }