@phdthesis{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00007039, author = {岩崎, 陽平 and Iwasaki, YOHEI}, month = {Mar}, note = {近年,様々な機器がコンピュータとネットワーク機能を内蔵し,至る所にコンピュータが存在するユビキタスコンピューティング環境が実現されつつある.これらの機器がネットワーク経由で連携した高度なアプリケーションサービスを実現し,我々の生活を支援することが期待される.ネットワーク機器間の連携を支援する多くのフレームワークが提案,規格化されているが,設定が煩雑,動的な機能拡張が困難,連携機能の開発が困難等,様々な問題点が残されている.本論文では最初に,ユビキタスコンピューティング環境における機器間連携フレームワークに関連した研究動向および課題について述べ,本論文の位置づけとアプローチを示す.連携させる機器を指定する際に,アドレスや名前などの間接的なシンボルを指定するのは煩雑なため,本論文では,実世界の機器そのものを直接的に指定する手法を提案する.また,従来の連携ソフトウェア開発手法では,連携機能が複数の機器に分散し,開発や保守が困難となるため,本論文では,機器間の連携機能を,連携ソフトウェアの分散を意識せずに機器生産後に容易に開発・導入できる,分散透過な連携ソフトウェア開発手法を提案する.本論文ではまず,機器を連携させる際に煩雑な設定を不要とするために,接続したい両機器のボタンを押すだけで2つの機器間の接続を直接的に指示できる,接続指示フレームワークTouch-and-Connect を提案する.ボタンを押して接続を指示するインタフェースでは,一般に複数のユーザの操作が干渉して誤接続が発生する可能性がある.本手法では,状態を表示可能なボタンを用いてユーザの操作を排他制御し,複数のユーザが独立に操作を行う状況においても誤接続を防止する.ブロードキャスト通信を用いた本手法のプロトコルは,管理サーバを必要とせず,動的な端末の入退出への対応も考慮しているため,必要に応じて一時的に構築されるアドホックネットワークでも利用可能である.また,セキュリティと使いやすさの向上のため,グループを作成して機器間の接続可能性を制限できる.本フレームワークのプロトタイプシステムを実装してその実現可能性を示し,被験者実験により,インタフェースとしての使いやすさ,および本手法により誤接続が防止できることを示した.さらに,ボタンを押すことが困難な遠くの機器に対しても,携帯端末で指し示すことにより直接的に指定可能とするために,本論文では,ユーザの位置と方向に基づいたより高度な位置情報サービスである方向依存サービスを提案する.多数の機器が存在するユビキタスコンピューティング環境では,位置のみではユーザの望む機器を特定することは難しいが,ユーザの位置だけでなく指し示している方向を用いることにより,より細かな指定が可能となる.ユーザの方向は,磁気コンパスを内蔵した方向センサによって取得できるが,ユーザの位置に関しては,現状ではどこでも利用可能かつ安価な位置取得技術は存在しない.本論文では,方向依存サービスにおいて安価に位置を取得するために,手動の位置推定手法を提案する.位置が既知の複数のマーカの方位角を,ユーザが指し示して手動で測定し,各マーカより引かれる半直線の交点をユーザの位置と推定する.マーカには色によって種類を設け,ユーザがこれをボタン等により入力することにより,ユーザが指しているマーカを特定する.本手法は,位置取得のために他の位置センサや電子ビーコン等が不要であり,安価に方向依存サービスを展開できる.また,広い範囲でのサービス運用を可能とするために,無線LAN の基地局情報を用いた方向依存サービスシステムAzim を提案する.本システムは,ユーザにサービスを提供するために無線LAN を用いており,マーカの色だけでなく,無線LAN の基地局情報から得られる位置情報を組み合わせてマーカを特定することにより,限られたマーカの色数で広い範囲での運用を可能としている.また,機器や金属等により地磁気が乱れ,正確な方向測定が困難な屋内環境においても,事前に磁気の空間的な分布を学習してMFI(磁気分布情報) を作成することにより,地磁気の乱れに対してロバストな位置推定が可能となる.方向依存サービスの有用性を判断するために,本システムを用いて屋内および屋外で評価実験を行った.また,本システムのプロトタイプシステムとして,磁気センサと加速度センサを組み合わせた方向センサ,およびLinux が動作するPDAを用いて,実際に携帯可能なクライアント端末LocPointer を作成した.次に本論文では,事前に想定していない機器との連携機能も,連携ソフトウェアの分散を意識せずに機器生産後に容易に開発・導入できるようにするために,連携ソフトウェアの自動分散化手法を提案する.特に,ワンチップマイコンなどの低レベルデバイス上で,端末間が直接通信を行うピアツーピア(P2P) 型の連携機構に着目する.本手法では,機器間の連携機能を,連携ソフトウェアの分散を意識せず単一のソフトウェアモジュールとして記述する.処理の流れを解析することにより連携ソフトウェアを自動的に分散化し,連携に参加する機器にインストールする.本手法を用いることにより,従来ノードごとに別々に開発していた連携ソフトウェアを,単一モジュールで開発することができ,開発者は連携ソフトウェアの分散を意識することなく容易に連携機能を開発できる.また,遠隔のノードのプログラムコードの更新を,一箇所で集中的に行えるため,機器間の連携構成を容易に変更できる., 名古屋大学博士学位論文 学位の種類;博士(情報科学)(課程)学位授与年月日;平成18年3月27日}, school = {名古屋大学, Nagoya University}, title = {ユビキタスコンピューティング環境における機器間連携フレームワークに関する研究}, year = {2006} }