@phdthesis{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00007041, author = {大塚, 和弘}, month = {Mar}, note = {コンピュータビジョンは,人間などの生物がもつ視覚機能を人工的に実現することを目指す学問分野である.コンピュータビジョンの中でも特に動的な事象を観測対象とする領域のことを時系列画像解析と呼ぶ.時系列画像解析では,時々刻々と観測される2 次元画像の集合を入力とし,その画像集合から,そこに映っている3 次元世界中の対象の状態やその時間変化に関する推測が行われる.しかし,観測情報である2 次元画像は,3 次元世界を2 次元平面へ射影して得られる縮退された情報であり,その観測情報から対象とする事象の状態を一意に決定することは必ずしも容易ではない.本論文では,この時系列画像に基づく推測の困難性を,観測の部分性と間接性という2 つの側面から捉え,それらに対処可能な時系列画像解析の新しいアプローチを提案する.ここで観測の部分性とは,複数の対象間のオクルージョン(隠れとも呼ぶ)や観測範囲の制限によって生じる観測情報の欠落のことを指し,観測の間接性とは,観測情報と推測対象の状態との間の質的な乖離のことを指す.本論文では,観測の部分性,間接性の度合いの組み合わせに応じて,以下に述べる3 つの問題を取り上げる.まず,観測の部分性が顕著な例として,複数の物体の間に生じるオクルージョンに着目する.オクルージョンとは,カメラに対して,手前の物体が後方の物体を遮蔽する現象であり,時系列画像解析を妨げる主要因として知られている.オクルージョンが生じる場合,遮蔽された領域に関する観測情報が得られないという問題が生じる.また,画像上で複数の物体のオーバーラップが生じ,観測情報の解釈が困難になるという問題も生じる.本論文では,多視点観測による複数物体の追跡(トラッキングとも呼ぶ)を課題として取り上げる.この課題に対して本研究では,物体間のオクルージョンに対して頑健な追跡を実現するために,物体間のオクルージョンを含めた観測過程を陽にモデル化し,オクルージョンの構造と物体の状態(位置や姿勢)を同時に推定するという方法を提案する.この方法では,各々の視点からどの物体が見えていて,どの物体が隠れているかというオクルージョンの空間構造が陽に記述され,物体追跡の問題は,このオクルージョンの空間構造についての多重仮説の生成・検証,及び,物体の状態の事後確率分布の推定という2 つの問題からなる再帰的ベイズ推定法として定式化される.この方法は,オクルージョンに起因する物体の配置や状態の不確定性を推定することができるため,多様にオクルージョンが変化する状況においても,安定した物体追跡を行うことができる.人工データ,及び,実データを用いた実験を行い,その結果,一時的に全ての視点においてオクルージョンが発生している状況においても,頑健に追跡が継続できることを確認する., 名古屋大学博士学位論文 学位の種類(情報科学)(課程)学位授与年月日;平成19年3月23日}, school = {名古屋大学, Nagoya University}, title = {時系列画像に基づく動的事象の推測に関する研究}, year = {2007} }