@phdthesis{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009237, author = {水野, 亮 and MIZUNO, AKIRA}, month = {Mar}, note = {1980年にSnellらによって発見された双極分子流天体は、超音速(数~数十km s^{-1})で正反対の2方向へ分子ガスを放出する星生成と密接に関連した活動的な現象である。分子流天体はそれまでの理論ではまったく予測されていなかった現象であり、その発見は星生成研究に新たな局面を切り開くことになった。分子流天体は、その高い活動性のため、周囲の分子雲に大きな影響を及ぼすと考えられる。我々はFukui et al. (1986)で、分子雲を支える乱流運動のエネルギー源として、分子流天体と分子雲の相互作用の重要性を示唆した。しかしながら、これまで分子流天体と分子雲の相互作用に関しては、その可能性あるいは間接的証拠が示されていただけで、直接相互作用の現場をおさえた観測例はなかった。我々は、名古屋大学理学部の4m短ミリ波望遠鏡による広域CO観測で1985年12月にへびつかい座ρ星複合雲内に分子流天体ρ Oph-eastを発見した。その後、分子流天体とその近傍の高密度ガスの力学的関係を明らかにするため、野辺山宇宙電波観測所の45m鏡、Effelsbergの100m鏡、およびTexas大学Millimeter Wave Observatoryの4.9m鏡を用い、17”~18”の高い角分解能で、分子流の高速度ガスおよび近傍の高密度ガスの分布と運動を調べた。  その結果、分子流天体ρ Oph-eastは、1つの赤外線源に対し、2対のコンパクトな双極分子流と1つの広がった単極分子流から成る3重構造の他に例をみない特異な分子流天体であることが明らかになった。また、近傍の高密度ガスに関しては、その分布のピークが青方偏移した分子流のピークと空間的に一致していること、さらに、このピークの位置で高密度ガスの速度が分子流と同じ青方偏移側に急激に変化していることが明らかになった。本論文では、分子流と高密度ガスの運動量を比較し、高密度ガスが分子流によって加速されていることを示した。これは、分子流と近傍の分子雲との相互作用の直接的な証拠としては初めてのものである。また、分子流自身も相互作用により影響を受けている可能性が十分に考えられる。本論文ではさらに、分子流と高密度ガスの分布の反相関に注目し、ρ Oph-east の複雑な分子流の構造が近傍の高密度ガスとの相互作用により生じた可能性が高いことを示した。, 名古屋大学博士学位論文 学位の種類:理学博士(課程) 学位授与年月日:平成1年3月25日}, school = {名古屋大学, Nagoya University}, title = {特異分子流天体ρ Oph-eastの分子輝線観測}, year = {1989} }