{"created":"2021-03-01T06:16:21.184615+00:00","id":9576,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"b90ebc1b-5170-4385-bc28-7e08d8e8a489"},"_deposit":{"id":"9576","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"9576"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009576","sets":["312:651:734"]},"author_link":["29152"],"item_12_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2009-03-25","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_12_date_granted_64":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2009-03-25"}]},"item_12_degree_grantor_62":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"名古屋大学"},{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Nagoya 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章から構成される.第1 章の序論では,教育評価研究と組込みソフトウェア技術者教育の実態を概観した.最初に,教育評価に関して,梶田(1992)とKirkpatrick and Kirkpatrick(2006)の分類を概説した.梶田(1992)は,教育評価をその目的によって,事前的評価,形成的評価,総括的評価,そして外在的評価の4 種類に分類し,外在的評価により教育活動の改善が行われることを指摘した.Kirkpatrick and Kirkpatrick(2006)は,職業人に対する教育評価を,教育現場から教育終了後の職場にわたる時間軸に基づいて,反応水準,学習水準,行動水準,そして結果水準の4 水準に分類し,職業現場における受講者の業務遂行を評価する行動水準の評価の重要性を指摘した.他方,評価が主観に基づいて行われるときには,主観性が,自己評価においては自己に都合が良く,他者評価においては他者に厳しくはたらくことが確認されている(Dunning et al.,1989; Hamilton et al., 1971).本研究が対象とする組込みソフトウェア技術者の業務遂行に対する評価は,その多くが主観的に行われる.したがって,彼らの行動水準における教育評価は,受講者の自己評価と上司の他者評価の特性を明らかにすることにより,透明性高く行なわれる.第2 章では,ESTEC を構築し,教育カリキュラムの妥当性を客観的に評価するために,職業人に対して教育を実施し評価の調査と実験を行った.まず,教育カリキュラムを構築するために,3 種類の技術レベル(初級,中級,上級)と3 種類の職種(一般技術職,専門職,管理職)を組み合わせ,受講者を4種類の受講者クラス(初級,中級,上級,指導者)に分類した.そして,受講クラス別に,初級クラスには1 種類の,中級には2 種類の,上級には5 種類の合計8種類の教育コースの教材を開発した.業務で使用する技能を育成するために,全ての教育コースに,プログラミングを中心とした演習を開発した.調査2-1 は,開発した教育カリキュラムの総合的な評価を目的として行われた.1 年間に教育コースを合計16 回開催し,受講者に対してコースの総合評価など4種類の項目を,5 肢選択法(1「無い・悪い」から5「有る・良い」)で評定させる課題を課した.実験結果は,受講者の総合評価が全ての教育コースで4 以上であることを示した.実験2-2 は,プログラミング演習における教育の実態を把握するために行われた.実験用に開発されたキー操作を記録するシステムを用いて,プログラミング演習における1 分あたりのキー操作回数を1 分単位で計測した.被験者は,初級クラスの教育コースに参加した受講者であり,彼らの課題は,演習課題のプログラム作成を90 分間にわたり実施し,演習終了後に自由記述形式で演習の感想を記述することであった.実験結果は,演習課題を解くことができない受講者は,コーディングと動作確認の繰り返し回数が少なく,キー操作の停止時間が長くなることを示した.そこで,演習中にキー操作を長時間停止した受講者を検出し,受講者が学習意欲を失う前に,講師が演習プログラムの指導を実践し教育効果を高め得る可能性が提案した.第3 章では,職業人教育に求められる行動水準の評価を,5 種類の実験と調査により実施した.実験3-1 では,受講者に対して組込みプログラミング能力テストと,受講者本人と直属の上司に対して受講者の業務遂行能力の総合的な評定を受講前後にわたり行った.実験結果は,受講者と上司の評定値は,いずれも受講前よりも受講後に高まる傾向を示した.しかし,両評価の発現時期がずれる現象が認められた.調査3-2 に新たに参加した受講者とその上司からなる被調査者群の課題は,業務遂行能力の評価に用いる項目を想起し,記述することであった.その結果,12種類の項目を抽出した.調査3-3 に新たに参加した受講者とその上司からなる被験者群の課題は,調査3-2 で抽出された項目に与える重みを多肢選択法で回答することであった.調査結果は,12 種類の評価項目に対する重みが,受講者と上司の群間で差がないことを示した.このことは,両者は異なる基準で評定を実施しているのではないことを示唆する.実験3-4-1 に新たに参加した被験者群の課題は,受講者の業務遂行能力を,受講前後の3 種類の時期(1 週間前と1 週間後と4 週間後)に,7 段階の評定尺度によって評定することであった.実験結果は,技術力を評価する評価項目(E_7)と,成長を評価する評価項目(E_12)に関して,教育受講後に高い評定値を示した.しかし,評価の発現時期は受講者と上司でずれており,E_7 に対する評価では,受講者は受講1 週間後に直ちに高い評定値を示すが,上司は4 週間後に高い値を示すことが確認された.他方E_12 に対する評価では,受講者のみが4 週間後に高い値を示すことが確認された.実験3-4-2 では,実験3-4-1 と同じ被験者に対して,実験3-4-1 で確認された評定値が受講後に高い値を示す現象が教育の受講により生起することを確認するために,教育を受講しない期間に実験3-4-1 と同じ間隔で3 種類の時期に評定値を求める課題を与えた.実験結果は,実験3-4-1 で変化が確認された評価項目を含む全項目において,期間内に評定値が変化しないことを示した.このことは,実験3-4-1で確認された高い評定値は教育効果により生起したことを示唆する.以上の3 章における実験結果をまとめると,教育が育成目標とする業務遂行能力の評価項目に対する自己評価と他者評価は,評価の発現時期がずれるが,両評価は共に教育の受講4 週間後に高い値を示すことが確認された.したがって,行動水準の教育評価は,評価主体の違いによらずに安定して求めるために,少なくとも受講1 週間より後,本論文では4 週間後の業務遂行能力の評定値から,1 週間前の評定値を減算し重み係数を積和することを提案した.第4 章では,本研究の結果を総括し,結論を述べた.本研究の実験結果は,ESTEC受講者の業務遂行能力に対する評価特性が,受講者の自己評価と上司の他者評価で異なり,評価の発現時期がずれることを示す.このことは,行動水準の教育評価では,両者の評価における時間特性,つまり評価主体による評価の発現時期の差異を勘案して行うべきであることを示唆する.本研究では,上司の他者評価が受講者の自己評価に遅れる傾向が確認されたが,上司の評定に遅れが生じなければ,上司はより早期の適切な時期に部下の育成を行い得ると考えられる.今後,両者の評価の更なる検討と,部下である受講者に対する上司の評定行動の時期を早める手法の開発が期待される.","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_12_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(情報科学) (課程) 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