{"created":"2021-03-01T06:16:21.757685+00:00","id":9585,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"8d2d4d45-b487-4737-9f27-1537da5f9a36"},"_deposit":{"id":"9585","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"9585"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009585","sets":["320:606:607"]},"author_link":["29176"],"item_12_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"1989-02-07","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_12_date_granted_64":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"1989-02-07"}]},"item_12_degree_grantor_62":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"名古屋大学"},{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Nagoya 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上記研究目的を達成するため,まず引抜き方式によるしごき試験装置,工具面と材料に作用する加工力の分離測定法,工具面摩擦係数の算出法,およびしごき前カップ素材の加工硬化特性試験法等を開発した。素材カップをポンチもろとも下方に引っ張る引抜き方式しごきでは,ポンチがしごき中に材料流れによって自動求心されるので,しごき後カップ肉厚数10μmが容易に得られる。しごきに際しては特殊分割ポンチを用い,ポンチ側面に作用する摩擦力F_pをしごきポンチ力Pから分離して独立に測定する。ここに,F_pはしごき変形部としごき後ポンチ側面に作用する摩擦力F_pdとF_pfの和である(F_p≒F_pd+F_pf)。そして,しごき後カップのストリッビングカを用いて摩擦力F_pfを近似的に見積り,しごき変形部のポンチ側面摩擦力F_pd(≒F_p-F_pf)とダイス出口のカップ壁部軸方向張力P_w(=P-F_pd)を求める。このようにして得られたPとF_pdを用い,初等解析法を介してポンチ面およびダイス面の摩擦係数μ_p, μ_dを算出する。これを精度良く行うため,しごき前カップ側面を切削により切り抜いた特殊形状の一軸引張り試験片を作成して材料の引張り試験を行い,試験カップ材料の加工硬化特性(n値,F値)を求めた。第3章 焼付き,材料破断およびしわ発生現象の特徴 厚さ0.8mmの工業用純アルミニウムAllOO圧延板から軸対称深絞りと3段階のしごき(その後焼鈍)により作成された内径20mm, 壁肉厚0.275mmのカップを試験カップとして予備実験を行い,上記3現象の特徴を調べた。その結果,ポンチ面摩擦が高くなると,カップ壁部軸方向張力P_wが小さくなって破断の危険性は少なくなるが,その反面ダイス面での焼付きが助長されることがわかった。また,焼付きが発生すると,材料破断時のカップ壁部軸方向応力(σ_w)_cr がしごき後壁部材料の軸方向降伏応力より小さくても破断が生じ,極端な場合には(σ_w)_cr ≒0であっても停留亀裂のような特殊形態の破断が発生する。これらのことから,焼付き発生と材料破断は密接に関連していることが予想された。また,しごき後肉厚0.1mm程度の薄肉円筒では材料座屈やしわ発生に類した現象はみられなかった。 第4章 焼付き発生挙動および焼付きの抑制条件 純アルミニウムAllOO製カップ(初期肉厚0.275mm)を素材科として,ダイス面とポンチ面の潤滑剤およびしごき率を系統的に変更するしごき実験を行った。焼付き程度を評価尺度としてしごき後材料表面性状を分類すると,本実験条件下では,擦過傷面(平滑な光輝面),低密度と高密度の線状むしれ面帯状と全面の面状むしれ面,ミクロむしれ面およびミクロむしれ-クラック面の5種類が経験された。擦過傷面は材料-ダイス接触面全域が境界潤滑面の場合に出現する。線状および面状むしれ面はダイス出口付近での比較的大規模な材料付着(マクロ凝着)が原因となって形成され,ミクロむしれ面およびミクロむしれ-クラック面はダイス接触面上の広い範囲にわたる無数の微小な材料付着(ミクロ凝着)が原因となって形成される。これらの表面性状はポンチ面とダイス面の摩擦係数μ_p, μ_d二つのパラメータによって分類・評価することができた。このようにポンチ面摩擦の増加によっても焼付きは助長されるがこれはμ_p増に伴うダイス面圧の増大に起因することがわかった。本実験条件下では,平滑な光輝面を得るための摩擦条件としてμ_d≦-0.51μ_p+0・13の近似実験式が得られた。 第5章 破断発生機構および破断条件 本章では,材料破断と焼付き発生ないしは摩擦挙動との関係を明らかにし,より広い見地から破断現象を理解することを目的として,各種潤滑条件下で多数の破断発生実験を行った。そして破断形態の分類,亀裂の発生と伝播過程の観察,材料-ダイス接触面における摩擦・接触状態の観察およびカップ壁部軸方向応力の周方向分布の解析等を行い,しごき破断発生の機構と条件について検討を加えた。本実験条件下では,しごき後カップ壁部に現れる亀裂の形として直線状亀裂,曲線状亀裂および停留亀裂の3種類が経験された。破断時のしごき後カップ壁部軸方向応力(σ_w)_crとその壁部材料の軸方向引張り強さσ_crとの比(σ_w)_cr /σ_cr (=ζ)は,潤滑条件の違いに応じて0~1の範囲で変化し,焼付きによる材料表面の劣化程度が大きいほど低下する。また,破断形態およびζの低下割合は材料表面性状に応じて異なる。しかし,いずれの破断形態においても,初期亀裂はダイスベアリング出口をわずかに過ぎたカップ壁部の少なくとも一か所で発生し,そこでの軸方向応力が壁部材料の軸方向引張り強さσ_cr に達すると破断が生じる。上記ζの見かけ上の低下は,材料-ダイス接触面における摩擦状態の周方向不均一したがってカップ壁部軸方向応力の不均一分布に起因し,また亀裂形状はζの低下度合によって決まる亀裂伝播速度の大きさに支配されること等が明らかとなった。薄肉円筒のしごきでは,このような摩擦の周方向不均一に対する認識がとくに重要である。さらに,しごき加工における材料破断の基本条件について検討を加え,カップ壁部が比較的大きなしごき率を被る場合(11n t_1/tol>n)にはしごき後カップ壁部軸方向引張り強さσ_crはそこでの軸方向降伏応力にほぼ等しく, σ_cr≒2/√3・F (2/√3 11n t_l/tol)^nの近似式により見積もり得ることを確認した。 第6章 しわ発生現象およびしわ発生機構 初期肉厚0.275mの厚肉カップ(工業用純アルミニウムAlO50製)では,高しごき率かつポンチ面高摩擦の条件下でカップのほぼ全周に伸びる単一しわが発生したが,これはしごき後材料の押し出し変形によりカップ底が前方工具にあたって,カップ壁部に比較的大きい圧縮応力が発生した結果生じる軸方向材料座屈現象であることがわかった。また初期肉厚0.057mmの薄肉カップでは,しごき後カップ側壁(壁肉厚41, 31, 221μm)の狭い帯状領域内で,発生間隔が比較的小さい短ピッチしわおよび間隔が比較的大きい長ピッチしわが出現し,前者は高しごき率で,後者は低しごき率で多く発生した。両帯状しわの発生状況を詳細に検討した結果,これらは加工肉厚の減少に伴って出現する固有の限界現象であると判断された。上記3形態のしわは,すべてダイス入口前材料の不均一なバルジ変形に誘発されて発生するが,その機構は基本的に同じである。しわ発生形態の相違は,カップ初期肉厚としごき率の大小に支配されるバルジ形成状態の差にその原因を求めることができた。ダイス入口前でこのようなバルジが形成されると,パルジ頂点近傍での塑性曲げによる材料表面あれがダイス接触面への潤滑剤導入量を増加させてダイス面摩擦を低下させる。これがしごき方向への材料押し出しを誘発し,そのためにダイス出口近傍で比較的大きな軸方向圧縮応力が生じてしごき後カップ壁部で材料座屈(しわ)が発生する。少なくとも,純アルミニウムAl050のしごきにおいては,加工後肉厚が50μm以下になるとしわ発生現象が現れることが確認できた。 第7章 カップ薄肉化のための基本条件に関する検討 前章までの結果を踏まえ,焼付き.材料破断およびしわ発生を同時に防止してカップの薄肉化を達成するために必要な基本条件について検討を加えた。加工肉厚が小さくなるほど焼き付きは発生しにくくなるものの.縞状ミクロプール部の発生という新たな面性状劣化現象が現れる。これもまたダイス入口前における周方向に不均一な材料のバルジ変形に起因することが明らかとなった。金属薄肉円筒のしごき加工におけるこのような面性状劣化現象,材料破断およびしわ発生を同時に抑制するには,少なくとも(1)ダイス接触面における均一な低摩擦状態の実現,  (2)ダイス入口前におけるパルジ変形の防止の2条件が不可欠であると結論された。 第8章結論 金属薄肉円筒のしごき加工における焼付き,材料破断およびしわ発生現象を詳細に検討して個々の現象の発生条件と発生機構を従来になく明確に把握し,金属円筒の薄肉化に伴う諸問題と円筒薄肉化のために必要な基本条件を明らかにした。これによって,しごき加工による金属円筒薄肉化限界を向上させるための基礎的条件を確立することができた。","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_12_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"名古屋大学博士学位論文 学位の種類:工学博士 (論文) 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