{"created":"2021-03-01T06:16:21.820249+00:00","id":9586,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"a25289be-ecfd-491f-af59-96c6745a062e"},"_deposit":{"id":"9586","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"9586"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009586","sets":["320:606:607"]},"author_link":["29177"],"item_12_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"1989-02-28","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_12_date_granted_64":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"1989-02-28"}]},"item_12_degree_grantor_62":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"名古屋大学"},{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Nagoya 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Limit Diagram:FLD)上で変形限界に及ぼすひずみ比の影響を考察する例が多く、現実の張出し成形へ理論を適用して、工具形状、材料特性、素板形状(特に板厚)、加工条件(特に摩擦)等の影響を実験結果と比較して検討した例は意外なほど少ない。上述のような現状に鑑み、本研究では、純粋張出し性向上条件の解明を狙いとして、摩擦、材料特性、ポンチプロフィル形状、板厚等の諸因子の影響を実験的、理論的に首尾一貫して解明することを目的とする。このような試みは、上述したように、最近益々要求度が高い難加工材の張出し成形を成功させるために不可欠のものと考える。上述の目的を達成するため、以下のような研究を行った。先ず、純粋張出し成形に関する理論的検討を行った。ここでは、Woo及び河合らの手法に準じて差分法により数値解析を行い、純粋張出し深さに及ぼす材料特性値(n値、r値)、ポンチ頭部・素板間の摩擦係数、ポンチ形状の影響を検討すると同時に、ひずみ分布を実測値と比較して、理論の適用性について考察した。また、張出し加工におけるポンチ頭部の摩擦条件をシミュレートしたしゅう動式摩擦試験法及び帯板圧縮試験法の二種類の摩擦試験法によって摩擦係数を実測して、比較検討を行った。その結果、両方法による摩擦係数値間には大きな差はないことが示されたので、本研究では、より簡便に摩擦係数値が求められるしゅう動式摩擦試験法を採用することにした。4種類の潤滑材、7種類の金属薄板(公称板厚0.6mm)及び7種の軸比を持つ楕円プロフィルポンチを用いて純粋張出し実験を行い、摩擦係数、材料特性値(n値、r値)及びポンチプロフィル形状の純粋張出し深さに及ぼす影響を理論と実験の両面から種々考察した。その結果から、張出し性向上にとって最適の摩擦形数値が存在することを初めて明らかにし、また最適ポンチ形状の選択方法についても提案を行った。さらに、ポンチ中心部を低摩擦、ポンチ外側部を高摩擦に塗り分ける域差潤滑法なる手法を考案、試行して、純粋張出し深さが向上することを理論及び実験の両面から確認した。次に、近年、省資源・省エネルギーの観点からプレス成形品の薄肉化が進む現状に鑑み、純粋張出し性に及ぼす板厚の影響について、潤滑材と材料特性値を絡めて理論及び実験の両面から検討を行った。上述のような研究を通して得られた結論を要約すると次のようになる。(1)限界張出し深さの実測値は一般に摩擦係数μが減少するに伴い増加してゆくが、摩擦係数μが0.01~0.03以下になると多少低下する。すなわち限界張出し深さの向上にとって最適の摩擦係数が存在する。この傾向は理論によっても確認された。そして、この最適摩擦係数μは、n値、r値によって影響をうけ、n値、r値が大きくなる程多少とも小さくなる傾向を示した。(2)ポンチプロフィル形状が異なっても限界張出し探さを極大にする摩擦係数μの存在が理論と実験の両面から確かめられた。理論計算によれば、この最適値はポンチプロフィルが偏平化し、n値およびr値が大きくなる程、小さくなり、0.05~ 0.20の範囲を示したが、実験では0・01~0.02 とかなり小さくまた最適範囲もかなり狭いことがわかった。(3)限界張出し深さは、n傾が増せば例外なく増加するが、r値の影響は複雑であり、摩擦係数μがある程度低い場合(計算ではμ≦ 0・1~0.2)正相関、μがある程度高い場合逆相関となることが計算結果から推定された。(4)n値が0.2より大きい材料では摩擦係数μが0.05 より小さくなれば限界の張出し深さの格段の向上が期待されることがわかった。(5)限界張出し深さを極大にするポンチプロフィル形状の存在が理論と実験の両面から確かめられた。理論によれば最適ポンチ形状はn値およびμが小さい程、偏平化(ポンチ軸比が小さくなる)するが、n=0.2,μ=0.1~0.2という通常の範囲では、最適のポンチ軸比r_1'/r_1は0.5~0.75の範囲となり球頭よりかなり偏平となることが分かった。実験結果は計算結果と定性的な一致を示したが、最適となるポンチ軸比の実験値は理論値よりかなり大きく、n=0.02でr_1'/r_1=0・5~0・75,n≧0.2でr_1'/r_1= 2.0となりかなりせん頭側に寄ることが分かった。(6)ポンチ面一材料面間の接触域内で、ポンチの中心部領域を低摩擦、外側部領域を高摩擦と潤滑材を塗りわけるいわゆる域差潤滑法によって、限界張出し探さを5~ 8%程度増大させることが出来た。この限界張り出し深さが向上する最適の中心部の低摩擦適用半径R_Bは、n値の増加とともに大きくなることが計算により示され、実験によって確認された。(7)板厚が異なっても、張出し荷重急減行程における深さが明確に求められ、本実験では、全ての場合を通してこれを限界張出し深さとしたが、この時点で、破断亀裂が板厚方向に貫通することが認められた。しかし、局部くびれ発生時の張り出し深さは、これより僅かに小さく、局部くびれ発生直接に破断亀裂が発生することがわかった。(8)材質及び潤滑材によらず板厚が薄くなれば限界張出し深さはかなり減少する。(9)限界張出し深さを極大にする最適摩擦係数μは板厚によって変化する。この最適摩擦係数μは、軟質材の場合、板厚が厚くなるほど、小さくなる傾向を示した。(10)Hillの拡散くびれ発生条件、M-K理論を用いた山口の方法及び後藤の式を用いて、限界張出し深さに及ばす板厚の影響を計算したところ、軟質材については、山口の方法が実験値と比較的よく一致した。これは理論に用いた仮定が実験に現れた現象にある程度類似したためと思われる。半硬質材については、後藤の式が比較的良い一致を示した。Hillの拡散くびれ条件による計算結果は、板厚依存性を示さない。","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_12_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"名古屋大学博士学位論文 学位の種類:工学博士 (論文) 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