@phdthesis{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009591, author = {岩見, 雅史}, month = {Dec}, note = {ボンビキシンbombyxin はカイコBombyx moriの脳神経分泌細胞で合成され,エリサンSamia cynthia riciniの除脳蛹に対して,エクジソンの合成と分泌を促し変態を起こさせる活性を持つインシュリン族ペプチドホルモンである. 本研究では二種類のボンビキシン遺伝子(A-1,C-1)を,カイコ遺伝子ライブラリーより単離しその構造を決定し,既知のインシュリン族遺伝子と比較した.これら二種類のボンビキシン遺伝子とそれぞれ類似した遺伝子群が存在し,ファミリー(A,Cファミリー.さらにBファミリーも存在する.)を形成している.また,いずれのボンビキシン遺伝子もインシュリン遺伝子と塩基配列およびそのコードするアミノ酸配列に相同性をもつ.ボンビキシン遺伝子によりコードされるボンビキシン前駆体(プレプロボンビキシン)はいずれもN端から順に,シグナルペプチド,B鎖,Cペプチド,A鎖の構成を持ち,プレプロインシュリンと全く同じ構成であり,エンドペプチダーゼにより転写後修飾をうける塩基性アミノ酸配列もCペプチド両端に保存されている.これらのことはボンビキシンがインシュリン族に属し,その祖先遺伝子はヒトをはじめとする哺乳類のインシュリン遺伝子のそれと同一であることを示している.しかし,少なくとも1個のイントロンを持つインシュリン遺伝子と異なり,ボンビキシン遺伝子にはイントロンがなく,プロセスされた遺伝子の特徴を備えている.ボンビキシンの一次構造を,インシュリンと比較することにより予想される三次構造から導かれる特色として,1)インシュリンと同様の球状の構造を形成する,2)インシュリンのレセプター結合部位およびエピトープ部位に相当するアミノ酸配列がボンビキシンでは他のインシュリン族ペプチドと大きく異なる,3)インシュリンは二量体を形成し,二量体が集まり六量体を形づくっているが,ボンビキシンには二量体を形成するためのアミノ酸残基が欠けていることから,ボンビキシンは多量体をつくらない,の諸点があげられる.さらに,ボンビキシンCファミリー分子は,ボンビキシン内でも,他のファミリーと進化的および機能的に,大きくへだたっている., 名古屋大学博士学位論文 学位の種類:理学博士 (論文) 学位授与年月日:平成1年12月22日}, school = {名古屋大学, Nagoya University}, title = {前胸腺刺激活性を持つカイコインシュリン様脳ホルモン,ボンビキシンの遺伝子構造}, year = {1989} }