{"created":"2021-03-01T06:16:22.769300+00:00","id":9601,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"85ad4c55-0d2b-40c3-801c-e6b432430cca"},"_deposit":{"id":"9601","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"9601"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009601","sets":["320:606:607"]},"author_link":["29193"],"item_12_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"1991-10-07","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_12_date_granted_64":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"1991-10-07"}]},"item_12_degree_grantor_62":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"名古屋大学"},{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Nagoya 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NaCl溶液中にて電位を不働態域に保持し、低ひずみ速度引張り試験を行ない不働態皮膜の破壊挙動および修復現象について検討を行った。不働態電位域にて引張り試験を行なうと、溶体化材では不働態保持電流はひずみの増加とともに大きくなり電流値の変動が激しく、ひずみの変化に対する皮膜の追随が悪い。一方、ピーク時効材では溶体化材に比べて電流値の変動は小さく、ひずみの変化に対して皮膜の追随が良好であることを示した。本系合金に銅を添加することにより、ひずみ増加に伴なう電流値の増加割合が減少することから、皮膜が薄く、ち密に形成されていると考えられ、無負荷時の分極曲線による不働態保持電流の減少ともよく一致した。引張り試験後の破面観察によると、溶体化材は表面および内部とも主としてディンプルが観察された。ピーク時効材は表面近傍には皮膜破壊によると思われる粒界割れが、内部にはディンプルが主として観察された。これより、時効によって表面に形成される皮膜の特性に差が生じていることが明らかになった。第7章では熱処理にて結晶粒度を調整し、その影響を界面インピーダンス挙動を測定することにより不働態皮膜の状態変化と関係づけて検討した。界面インピーダンス法により算出した皮膜の反応抵抗Rおよび皮膜容量CはAl-Zn-MgおよびそれにCrを添加した合金では粒界長さの増大により、すなわち結晶粒の微細化により大きくなる傾向を示した。一方、Cu添加合金では結晶粒が微細されても大きな変化は認められかった。すなわち、Cuは粒界よりも粒内に優先的に固溶され、粒界にはあまり影響を及ぼさないと考えられる。皮膜容量Cの値については、Al-Zn-Mg三元合金の方が、CuやCrを添加した合金よりも大きな値を示した。これは、溶体化処理されることによりAl-Zn-Mg三元合金はCuおよびCr添加合金に比べて母相のアルミニウム濃度がより高くなることによる固溶原子の量の影響の違いに起因していることが明らかになった。第8章ではⅠ/M法にて作成した圧延板材および同組成の合金粉末を熱間等方加圧処理(HIP)したHIP材について、その材料特性と常温0・5N NaCl溶液中における分極特性等を調べ、I/M材とHIP材での特性の変化およびHIP処理の効果を検討した。一軸加圧成形された粉末合金もHIP処理することにより孔食電位は数十mV貴に変化することになり、不働態保持電流は減少する傾向にあることがわかった。HIP処理されたP/M材は、同組成のI/M材(S.S後)に比べて孔食電位が数十ミリボルト貴な電位を示した。また不働態保持電流の値についても従来の圧延材に比べて、同組成のP/M材(HIP処理をしたもの)の電流密度は減少する傾向にあることがわかった。このことから合金粉末より加圧成形したP/M材がHIP処理されることにより、従来のI/M法にて作成した圧延材よりも耐孔食性が良くなるということが判明した。Al-Zn-Mg系合金の表面に生成される不働態皮膜の特性は、本系合金に施される時効処理による試料表面のアルミニウム濃度の変化と関連づけて考えることができることが実験的に確かめることができた。すなわち時効の進行とともに孔食電位は貴に、不働態保持電流は減少すること、また界面インピーダンス挙動より皮膜容量Cの値が大きくなること等より時効の進行とともにMgZn_2等の中間相の生成→母相中の固溶ZnおよびMg量の減少→アルミニウム濃度の増加→安定な皮膜の成長という過程を経て不働態皮膜の性質は変化するということが判明した。","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_12_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"名古屋大学博士学位論文 学位の種類:工学博士 (論文) 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