@phdthesis{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009605, author = {柴田, 祥一}, month = {Mar}, note = {太陽フレアに伴って中性子が大量に発生する。中性子は電荷を持たないため、惑星間磁場によって曲げられることなく太陽から地球へ直進して来る。太陽中性子の観測は、フレア時に起こる高エネルギー粒子加速機構の解明に重要な情報をもたらすものである。今までの地上観測で唯一信頼できるものは、1982年6月3日にユングフラウヨツホで得られたものである。チャツプらはそのデータ解析から、太陽中性子はインパルシブフェイズと呼ばれるフレア初期の数十秒間のみならず、その後に続く数十分間のグラデュアルフェイズでも発生していると考えざるを得ないという結論に至った。申請者の所属するグループでは、これまで太陽中性子観測に使われていた中性子モニタの欠点を検討の上、シンチレ一夕中で中性子がたたき出す反跳陽子を捕らえる新方式の中性子望遠鏡を開発し、1990年10月から乗鞍岳の宇宙線観測所にて太陽中性子の観測を開始した。そして、1991年6月4日の太陽フレアに伴う中性子を観測した。申請者は、観測データの解析のために、ユングフラウヨツホイベントの解析の基礎となった地球大気中での太陽中性子の伝播の計算を調べ、大気原子核との弾性散乱による効果が正しく取り扱われていないことを見出した。そこで、まず簡単な伝播モデルを解析的に解き、弾性散乱が太陽中性子の大気中の伝播の主要な過程であることを確認した。そして、加速器で得られたデータを基礎にして中性子と空気原子核との核相互作用のモデルを作り、モンテカルロ法によって、太陽中性子の地球大気中での伝播の詳細な計算を行った。申請者は、モンテカルロ計算の結果、太陽中性子のエネルギーが~200MeV以下の場合、大気中での伝播に弾性散乱が重要な役割を果たすことを示した。この計算結果を、1991年6月4日に乗鞍で観測された太陽中性子イベントの解析に適用すると、この事象は、太陽フレア時に、γ線と中性子が半値幅で16秒という非常に短い時間に同時に発生したものであるとして説明できることを証明した。そして、1982年6月3日にユングフラウヨツホで観測された事象も同様の解釈が可能となり、中性子がインパルシブフェイズだけで発生したとするとこの事象が説明できないという、チャツプらの論文に書かれている解釈を必ずしもとる必要がないことを示した。, 名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(理学) (論文) 学位授与年月日:平成5年3月25日}, school = {名古屋大学, Nagoya University}, title = {太陽フレアに伴う中性子の観測と地球大気中での伝播}, year = {1993} }