{"created":"2021-03-01T06:16:23.275131+00:00","id":9609,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"9079cd3d-b61b-495b-b561-da61d1a9cd3f"},"_deposit":{"id":"9609","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"9609"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009609","sets":["320:606:607"]},"author_link":["29201"],"item_12_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"1993-11-30","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_12_date_granted_64":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"1993-11-30"}]},"item_12_degree_grantor_62":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"名古屋大学"},{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Nagoya 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4-トリアゾリン-3,5-ジオン(TAD)のエン反応、また強力な還元能力を利用する三級ホスフィンとのレドックス反応について述べている。従来、TAD誘導体のエン反応に関し、その報告例は数少なく、特に、分子内にexo,endo-オレフィンを有する化合物との反応に関しては、報告がなかった。著者によりTADがend-オレフィンよりもexo-オレフィンに対し選択的に付加反応を起こすことを明らかにした。また、2:1付加物を与える場合の反応機構を、中間体としてexo-オレフィン(イソプロピリデン基)が生じることにより解明した。TAD誘導体のオレフィンへの付加反応に目的を限定するだけでなく、反応試剤としてのTADの反応を拡張した。即ち、三価ホスフィンとTAD系から与えられるベタイン型化学種を、基本的で重要であるアルコールからハロゲン化アルキルへの変換反応に応用した。この場合、立体反転した、生成物が高収率で与えられたことからS_n2反応で進行することを確認した。このようにTADを用いたエン反応においては新たな結果が得られ、TADをレドックス反応試剤として応用ことに成功した。第3章では、数多くのヘテロ環化合物の中でも特に生理活性を有するアジリジン誘導体を模倣して、環内にリン原子を有する最小員環化合物であるホスフィラン合成について述べている。リン原子を含むヘテロ三員環化合物は熱や塩基性条件下では大変不安定であり、特に三価のホスフィラン誘導体は容易に空気中の酸素で酸化されやすい等の性質を持っている。そこで、嵩高い保護基で安定化された炭素-リン結合生成によるホスフィラン合成法の開発、および従来困難とされてきたリン原子のα、α‘-炭素-炭素結合生成反応をα、α’-炭素上にフェニルスルフィニル基を導入することで活性化したホスフィラン合成について検討した。嵩高い立体保護基をリン原子の周りの立体空間に置くことによって、従来よりも簡便に、しかも空気中の酸素に酸化されない安定なホスフィラン誘導体の合成に成功した。また、この炭素-リン結合生成によるホスフィラン合成の基質の一つである2,4,6-トリメチルフェニルホスフィン合成を、従来法とは異なった金属-ハロゲン交換反応から合成した。その結果、従来のFriedel-Crafts反応よりも格段に収率が向上した。このことはフェニルジクロロホスフィンが市販されており、これを原料として使用することができることを考え合わせると有意義な手法と言えるであろう。炭素-炭素結合生成反応によるホスフィラン合成に際して、リン原子のα-炭素上にフェニルスルフィニル基を置換させることで活性を高めた場合、ホスフィランが開環した副生成物も与えられたが、用いる塩基の種類によっては三員環を保持したままのホスフィランが得られた。開環した副生成物がZ-構造であったことからWoodward‐Hoffmann則よりホスフィランの立体化学を推測した結果、(2\\underbar{S}, 3\\underbar{S})または(2\\underbar{R}, 3\\underbar{R})であることが明らかになった。このことを更に証明するためにPummerer反応の立体化学を検討し、前述の推測した構造を支持する結果が与えられた。このホスフィランの合成法は穏和な条件下で好収率で生成物が得られることがわかり、従来合成が困難であったホスフィラン類の化学に関して重要な知見を与えた。第4章では、炭素-リン結合を有する生理活性物質の合成に欠くことのできない炭素-リン結合生成反応として、カルボニル化合物とホスフィンまたはホスホン酸誘導体との反応で得られるα-ヒドロキシルリン化合物の直接脱酸素化に関して検討した。脱酸素化剤として四ヨウ化二リンを用いた場合、穏和な条件下でしかも高収率で目的の脱酸素化生成物が得られた。しかしながら、四ヨウ化二リンは分子量が大きいため基質に対して相当量が必要になること、また、この試薬合成の収率は高くなく長期間保存できないことなどの欠点がある。このような欠点を改良するため反応系内で試薬を調整、また種々の条件下で脱酸素化反応を検討した結果、三塩化リンと金属ヨウ化物の混合物を脱酸素化試剤としてα-ヒドロキシルリン化合物に作用させたところ、四ヨウ化二リンと同様な結果を得た。このことから四ヨウ化二リンを用いることなくアルコールの脱酸素化反応の改良に成功した。以上、炭素-リン結合を有する生理活性物質合成のため不要なα-ヒドロキシル基の水素原子置換反応を開発した。また、この反応は脂肪族化合物にも適用であり、種々のアルコール誘導体の直接脱酸素化に関して指標を示したと言える。第5章では抗生物質として知られるAlaphosphinの原料であるα-アミノホスホン酸の不斉合成に関して立体化学と反応機構の両面から検討した。種々の光学活性なカルバマートと尿素誘導体を用いアルデヒドと亜リン酸トリアリールから立体選択的に目的の光学活性アミノホスホン酸誘導体を得た。反応機構はアルデヒドとカルバメートからイミニウムイオンが中間体として生成し、このイミニウムイオンのre面およびsi面をキラル補助基によって亜リン酸トリアリールが識別する機構を推測した。これら反応中間体が生成していることを確認するために、カンフアーから導いたカルバメートを合成し反応させた結果、推測したとおり亜リン酸トリアリールがイミニウムイオンのエナンチオ面を区別した立体配置が(\\underbar{R})の1-アミノアルキルホスホン酸誘導体が与えられた。一般に、アミノホスホン酸合成は種々の官能基変換で合成されてきたので、この章では短段階アミノホスホン酸合成に関しても検討した。抗生物質であるPhosphonothricinは分子内にアミノ基、ホスホン酸基およびカルボキシル基を持ち合わせている。このような官能基を分子内に持たせ、また官能基変換操作の回数を省くことのできる出発物質としてβ-ラクタム誘導体が最適であると判断し、4-ヨードメチルアゼチジン-2-オンからArbuzov反応を経て2-アミノグルタジン酸類似構造体のアミノホスホン酸の短段階合成に成功した。第6章では、安価で入手しやすい光学活性なα-アミノ酸誘導体のキラリテイーを利用した2-アミノホスホン酸合成に関して述べている。炭素-リン結合生成反応はアラニンから導いた酸クロリドと亜リン酸トリエチルからArbuzov反応で生成させ、α-カルボニル基を還元し1-ヒドロキシル化合物とした。このヒドロキシル基をメチレン基に変換するためにラジカルを経る脱酸素化反応のほか、第4章で述べた直接脱酸素化反応の二方法を適用させた。その結果、直接脱酸素化反応ではアミノホスホン酸が低収率であった。一方、ラジカルを経る脱酸素化反応では高収率で目的物が得られた。最終生成物の光学活性2-アミノホスホン酸誘導体は比旋光度が文献値と一致し、また^1H NMR観測結果からも出発物質であるα-アミノ酸の(\\underbar{S})立体配置が合成過程でラセミ化せずに保持されていることが観測された。本合成手法は、光学活性2-アミノアルキルホスホン酸合成に成功した最初の例である。また、出発物質の立体化学を保持した抗生物質の合成に関しても検討した。即ち、ホスホマイシン合成をL-乳酸から容易に導かれる光学活性アルデヒドからキレート条件下で立体制御した新規炭素-リン結合形成反応によりホスホマイシン合成に成功した。このホスホマイシンの新合成法は、従来の光学分割の方法と比べ、目的の光学活性体を優先的に合成するという新規な発想と簡便な手法であることから今後の工業的な発展が期待される。第7章では炭素-リン結合形成反応におけるホスフィドアニオンの反応挙動に関して述べている。従来よりO=PR^1R^2R^3の式で示されるような置換基がそれぞれ非対称のリン化合物を合成することは大変困難であった。しかし、還元剤として用いられているSDMAをO=P-ORからO=P-Hへの変換に還元剤として用いるだけでなく、ホスフィドアニオン生成にも利用することにより容易にハロゲン化アルキル等と反応することがわかった。また、その立体化学を調べることにより反応の挙動はS_N2型で進行していることも明らかにした。第8章では前章までの結果を総括した。","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_12_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(工学) (論文) 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