{"created":"2021-03-01T06:16:23.652152+00:00","id":9615,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"aa9594b9-0904-4223-b0f8-62005e485272"},"_deposit":{"id":"9615","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"9615"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009615","sets":["320:606:607"]},"author_link":["29208","29209"],"item_12_alternative_title_19":{"attribute_name":"その他のタイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_alternative_title":"アルミニウム反応剤を用いる選択的反応および分子認識","subitem_alternative_title_language":"ja"}]},"item_12_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"1995-01-10","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_12_date_granted_64":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"1995-01-10"}]},"item_12_degree_grantor_62":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"名古屋大学"},{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Nagoya 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pdf参照)第2章では,遷移金属触媒を用いるイソプレンのヒドロアルミ化反応について検討した結果を述べる。一般に,Cp_2TiCl_2などの遷移金属触媒とLiAlH_4もを用いる共役ジエンのヒドロアルミ化は,位置選択性は低いものの,アリルアルミニウム化合物が生成することが知られている。そこで,Cp2_TiCl_2触媒を用いるイソプレンのヒドロアルミ化について調べ,以下の結果を得た。i) 4当量のイソプレンを用いたLiAlH_4によるヒドロアルミ化は逐次的に進行し,1段目では,アルキルおよびアルケニルアルミニウム化合物がほほ等量生成し,目的のアリルアルミニウム化合物に起因する加水分解生成物,2-メチル-1-ブテンの選択性は35%であった。しかし,2段目以降の有機アルミニウム水素化物(Li[AlH_3-n(HR)_1+n],n=1-3)による反応では,選択的に加水分解生成物として2-メチルー1-ブテンのみが生成し,選択性は76%まで向上した。さらに、別途合成したLi[AlH_3(C_5H_11)]によるイソプレンのヒドロアルミ化により,良好な選択性で2-メチルー1-ブテンが得られた。これらの結果から,有機アルミニウム水素化物のアルキル基あるいはアルケニル基の立体的効果により,選択的に2-メチルー1-ブテンが生成すると推定した。 ⅱ) 重水による加水分解生成物の13CNMRスペクトル(invcrse gated decoupling)の解析から,2-メチルー1-ブテンが起因するアルケニルアルミニウム化合物は,アリルおよびホモアリルアルミニウム化合物の混合物であることが推定された。さらに,同様な手法により,イソプレンのヒドロアルミ化で生成する種々の有機アルミニウム化合物の構造を推定した。 ⅲ)CP_2TiCl_2触媒-Li[AIH_3(C_5H_11)]によるイソプレンのヒドロアルミ化反応の速度論的解析を行い,反応機構について検討した。その結果,チタンヒドリド結合(Ti-H)へのイソプレンの挿入反応による有機チタン中間体の生成,およびアルミニウム水素化物によるトランスメタル化を経由する反応機構を提案し,律速段階がトランスメタル化反応であると推定した。第3章では,遷移金属触媒および有機ホウ素触媒を用いるアレン系化合物のヒドロアルミ化反応について述べる。アレン系化合物のi-Bu_2AlHによるヒドロアルミ化反応は温和な条件下で高位置選択的にアリルアルミニウム化合物を与えるが,生成するアリルアルミニウム化合物はカルボニル化合物等の親電子剤に対して不活性であることが報告されている。そこで,遷移金属触媒あるいは有機ホウ素触媒を用いた無機アルミニウム水素化物(LiAlH_4およびCl_2AlH)によるアレン系化合物のヒドロアルミ化について調べたところ,以下の結果が得られた。 i) チタンやジルコニウム化合物等の遷移金属触媒と無機アルミニウム水素化物の組み合わせによる1,2-ノナジエンのヒドロアルミ化は,低い位置選択性であった。 ⅱ)PhB(OH)_2触媒とCl_2AlHによるヒドロアルミ化では,1,2-ノナジエンおよび二置換アレン化合物から高位置選択的にアリルアルミニウム化合物が生成し,アルデヒド類の選択的なアリル化剤として適用できることがわかった。第4章および第5章は,含酸素有機化合物に対する分子認識能を有する有機アルミニウムレセプターの開発とその分離手段ならびに合成反応への適用に関して述べる。近年,生体内に存在する分子認識プロセスを分子レベルで人工的に実現しようとする化学がさまざまな面で展開され,特に,各種イオンや有機分子の選択的捕捉をめざした各種のレセプターが開発されている。しかし,これら従来の分子認識化学のほとんどはレセプターと基質との水素結合を利用したものであるため,水素結合力の弱い有機分子,例えばエーテル系化合物の選択的捕捉には難点があった。そこで,有機アルミニウム化合物のヘテロ原子に対する強い配位結合力を利用した,選択的なルイス酸塩基複合体の形成に基ずく新規な分子認識化学の開発を行った。第4章では,極めてかさ高い配位子を有する有機アルミニウム化合物,メチルアルミニウムビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシド)(MAD)を用いる分子認識化学の開発について述べる。MADをメチル3-フェニルプロピルエーテルとエチル3-フェニルプロピルエーテルの1:1混合物に作用させて,低温(-50℃)での13CNMRスペクトルを測定したところ,立体障害の小さいメチルエーテルのみが選択的(100:0)にルイス酸塩基複合体を形成することを見い出した。 さらに,構造的に類似した各種エーテルの1:1混合物に対しても,立体的あるいは塩基性のわずかな差異を識別して,高選択的にMADとの複合体を形成することを明らかにした。一方,市販のルイス酸であるi-Bu_3AlやBF_3・Et_2O等にはMADのような高い認識能は認められなかった。また,ルイス酸レセプターMADは,構造的に類似した脂肪族および芳香族のアルデヒド,ケトン,カルボン酸誘導体に対しても高い官能基認識能を示した。 ルイス酸レセプターMADの高い分子認識能をエーテル系化合物の分離手段として利用するため,ヘキサン溶媒中で構造的に類似した各種エーテルの1:1混合物に作用させたところ,選択的に生成するMAD-エーテル複合体が結晶として分別できることを見い出した。例えば,シクロヘキシルメチルエーテルとシクロヘキシルエチルエーテルの1:1混合物のヘキサン溶液から,立体障害の小さいシクロヘキシルメチルエーテルのみがMADとの複合体の結晶として選択的に得られた。MADを部分構造とする有機溶媒に難溶な高分子有機アルミニウム化合物を,液体カラムクロマトグラフィーの固定相とし,エーテル系化合物に対する選択的なルイス酸塩基複合体の形成に基ずく複合体形成クロマトグラフィー(Complexation chromatography)を試みた。高分子有機アルミニウム化合物の粉末(2mmol)を等量のシリル化シリカゲルと混合したのちガラスカラムに充填し,有機アルミニウムカラムとした。ついで,メチル3-フェニルプロピルエーテルとエチル3-フェニルプロピルエーテルの1:1混合物(1mmol)を加えてヘキサン溶媒を流下したところ,立体的にかさ高いエチルエーテルのみが選択的に溶出した。その後,ジエチルエーテルーヘキサン混合溶媒(1:10)を用いることにより,有機アルミニウム固定相に強く配位したメチル3-フェニルプロピルエーテルを定量的に溶出させることができた。 本手法は,構造的に類似した各種エポキシ化合物の分離にも適用することができた。第5章では,複合体形成クロマトグラフィーに用いた高分子有機アルミニウムカラムを用いる,エポキシ化合物のカルボニル化合物への流通系転位反応について述べる。酸触媒によるエポキシ化合物のカルボニル化合物への転位反応は,原料のエポキシ化合物がオレフィン類から容易に合成できるため,有用な官能基変換の手法である。そこで,高分子有機アルミニウムカラムを,転位反応の流通系リアクターとして適用したところ,各種のエポキシ化合物の転位が室温下に良好な収率で進行した。その際,副生成物は分子認識能を有する有機アルミニウム固定相に強く配位してほとんど溶出しなかった。例えば,エポキシグラニオールのtert-プチルジメチルシリルエーテルのヘキサン溶液を室温下で有機アルミニウムカラムに導入後,50mLのヘキサン溶媒を10分間で流下し,さらにヘキサン溶媒で溶出すると,目的の転位生成物であるβ-シロキシアルデヒドが67%の収率で得られた。(図表有 pdf参照)","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_12_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(工学) (論文) 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