{"created":"2021-03-01T06:16:23.715973+00:00","id":9616,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"d8d6ac81-db1f-43b1-9679-82aa1747ef2c"},"_deposit":{"id":"9616","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"9616"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009616","sets":["320:606:607"]},"author_link":["29210"],"item_12_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"1995-03-01","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_12_date_granted_64":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"1995-03-01"}]},"item_12_degree_grantor_62":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"名古屋大学"},{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Nagoya 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緒言 本章では、まず、自動車の排気ガスが地球環境に与える影響とエンジンの燃焼方式との関係、並びに、排気ガス浄化システムと空燃比センサとの関係について、従来の研究、開発の経過を述べ、希薄燃焼方式の位置づけと、本研究で取り扱う複合セル型ジルコニア酸素センサの位置づけを明らかにする。次に、複合セル型ジルコニア酸素センサについて、その技術的基盤となる他のタイプのジルコニア酸素センサも含めて、現在までの研究の経緯を述べ、本研究の位置づけを明らかにする。本論文では、複合セル型ジルコニア酸素センサの実用化に際する具体的な問題問題について、原因の解明と対策の検討を行い、複合セル型ジルコニア酸素センサを実用化への軌道に乗せた。第2章 本章では、複合セル型酸素センサの構造、動作原理、および、製造方法について述べ、そこに内在する問題点を整理する。複合セル型酸素センサは、センサセルとポンプセルを組み合せた素子構造を有し、センサセルの起電力が一定となるように、ポンプ電流をフィードバック制御することにより機能する。また、センサ素子は、積層された異種材料層をジルコニアと一体焼成することにより作成する。ポンプ電流のフィードバック制御により、広範囲空燃比の連続測定が可能となったが、同時にフィードバック制御による誤動作と固体電解質の劣化が懸念される。ヒータの内蔵により加熱効率と加熱時間が改善されたが、ヒータリーク電流の影響を検討する必要が生じた。ガス拡散律速にピンホールを用いたので、ガス流動の影響が懸念され、出力電流の温度依存性を検討する必要がある。第3章 本章では、複合セル型酸素センサの出力電流に対する被測定ガス圧力脈動の影響について述べる。自動車排気ガスの圧力は、シリンダー内での爆発に対応して振幅数十mmHg程度で脈動するが、このときセンサ出力電流も脈動し、かつ、その平均値が変化した。この現象を詳細に調べたところ、出力電流脈動の振動数は、エンジンの回転数に比例し、脈動の振幅は負荷とともに増えることが分かった。エンジンの運転状態が変化しても、酸素センサの素子温度変化は小さく、また、排気ガス圧力の平均値変化も小さいので、酸素センサ自身の温度依存性、圧力依存性では、出力の平均値変化を説明できない。そこで、被測定ガスからセンサ内部空間へのガス流動に注目し、内部空間のガス濃度分布とセンサ出力電流を差分法陽解法により計算したところ、ガス流動量が出力電流の平均値変化に関係するとの結果を得た。そこで、内部空間の容積を減らしたセンサを試作し、再度、圧力脈動の影響を調べ、このタイプのセンサでは出力電流の平均値変化が大幅に低減されることを確認した。第4章 本章では、複合セル型酸素センサにおける空気中作動時のポンプセル固体電解質劣化について、原因の解明と対策の検討を行った。劣化の原因解析のため、ガス拡散ギャップにおけるO_2、H_2、H_2Oの各ガス成分の濃度拡散と、電極におけるガス成分の平衡反応をモデル化し、差分法によりガス拡散ギャップ内のガス成分濃度とポンプ電極近傍の平衡酸素分圧の数値計算を行った。その結果、被測定ガス中の酸素濃度が高く、ポンプ電流値が大きいとき、内側ポンプ電極近傍の平衡酸素分圧が局所的に低下するとの結果を得た。平衡酸素分圧の低下により、ジルコニアが還元されてポンプセルが劣化したものと推測できる。平衡酸素分圧の低下は、ガス拡散ギャップ中の水蒸気濃度の低下と対応しており、被測定ガスの湿度(水蒸気濃度)が低いほど顕著になる。平衡酸素分圧の低下を防ぐために、電極保護層の拡散抵抗減、拡散ギャップ内の基準酸素分圧増、等の効果を計算したが、実現困難な設計変更変更を行わないかぎり劣化防止効果はなかった。そこで、劣化防止策として、センサセルからの補助ポンプを研究した。ポンプ電流の0~15%程度の電流をセンサセルの測定電極に流すことにより、内側ポンプ電極近傍の平衡酸素分圧低下を防止できた。また、ポンプセルとセンサセルの間の絶縁層に切り欠きを設け、ポンプ電流の一部をセンサセルの測定電極にリークすることで、実用可能なセンサ構造においても、空気中作動時の劣化を防止できることを確認した。第5章 本章では、複合セル型酸素センサを基本とし、耐環境性に優れた三電極構造の酸素センサについて述べる。複合セル型酸素センサの正常動作の前提は、空気ダクト中の酸素分圧が一定に保たれることであるが、苛酷な使用環境では、路水が排気管に接触して発生した水蒸気の影響等で、空気ダクト中の酸素が減少、センサが誤動作する例があった。外部環境から空気をセンサ内に取り込む経路を確保しつつ、水蒸気の侵入を防止することは、前章までのセンサ構造では難しかった。開発した三電極センサは、ポンプセルの内側ポンプ電極とセンサセルの測定電極を一つの共通電極とし、センサ内部に埋め込まれた基準電極近傍に酸素ポンプにより基準ガスを作りだす構造である。基準ガスは外部環境からの影響を受けず、耐環境性に優れる。三電極センサは、従来の複合セル型酸素センサと同様、広範囲の空燃比測定に利用できる。第6章 本章では、複合セル型酸素センサにおける、出力電流の温度変化率低減の研究を行った。従来の研究から、拡散律速層に開気孔径の小さい多孔質セラミックスを使用すると出力電流の温度変化率が減少し、大口径の穴を使用すると温度変化率は増加することが知られている。しかし、複合セル型酸素センサでは、構造上、多孔質セラミックスを拡散律速層に使うことが難しく、従来、出力電流の温度変化率が小さいセンサは報告されていなかった。そこで、直径1.2mmのガス導入孔に多孔質セラミックスを充填し、多孔質セラミックスによる細孔拡散とガス拡散ギャップによるバルク拡散を組み合わせた混合拡散機構を持つセンサを試作し、多孔質セラミックスの開気孔率や拡散経路の形状と出力電流の温度依存性、圧力依存性との関係を研究し、出力電流が温度によって変化しないセンサを開発した。第7章 本章では、高温使用時の、ヒータリーク電流の影響と、その低減方法について研究した。ガス温度800℃以上の高温使用時に、複合セル型酸素センサの出力電流の温度依存性が理論値からずれた。理論値からのずれは、ガス温度が高くなるほど広がり、また、被測定ガスの空燃比が燃料希薄か燃料過剰かで、ずれの方向が反対になった。センサ特性の測定回路と内蔵ヒータ回路との結合状態を変更した実験により、ヒータリーク電流が測定電極に流入することが、上記ずれの原因であることが明かになった。ヒータリーク電流による補助ポンプ効果と考えられる。ヒータリーク電流の測定電極への流入を防止する補助電極構造を開発し、効果を確認した。 第8章 本章では、本論文の総括を行い、本研究のセンサのさらなる改善のために、残された課題とその展望を述べた。 複合セル型ジルコニア酸素センサは、本論文で行った研究により、ほぼ実用可能な水準に達した。第3章で行った内部空間の形状検討により、自動車排気ガスの空燃比測定において最も大きな問題であった排気ガス圧力脈動の影響を低減し、第4章の補助ポンプにより空気中における安定動作が確保され、出力ばらつきの校正が可能になった。これらの研究により、通常の使用条件下での実用化にめどが立ったと言える。 更に、過酷な使用環境条件における使用を目的として、以下の研究が進められた。 第5章の三電極構造により、外部から空気を取り込めない環境においても、誤動作することなく利用できるセンサの可能性が開け、第6章の混合拡散型センサにより、出力電流の温度変化を避けたい用途においても、複合セル型センサを適用できるようになった。第7章のヒータリーク電流シールド構造の採用により、エギゾーストマニフォルド取付けのようにセンサ素子温度が極めて高くなる場合でも、正確な空燃比測定が可能となった。","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_12_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(工学) (論文) 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