@phdthesis{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009620, author = {續, 順子}, month = {Nov}, note = {植物のオルガネラである葉緑体DNAの理解を深め、またその系統進化を跡付けることを目的として、これまで解析例が乏しかった裸子植物の葉緑体の代表例としてクロマツ(Pinus thunbergii)の葉緑体DNAの全塩基配列の決定を遂行した。クロマツ葉緑体DNAは119,707bpの環状DNAであり、多くの陸上植物の葉緑体DNAで一般的に存在する長い逆位反復配列の残滓と見られる495bpの逆位反復配列を持っている。塩基組成などの性質は被子植物由来のものに類似し、蘇苔類や藻類のものとは異なっている。クロマツ葉緑体DNA上には4種類のrRNA遺伝子、32種類のtRNA遺伝子、61種類の蛋白質遺伝子(11種類のrps、9種類のrpl、4種類のrpo、infA、rbcL、6種頬のpsa、13種類のpsb、4種類のpet 6種類のatp、3種類のchl、accd、clpP、matK)が存在することを明らかにした。また、他の葉緑体DNAと共通性のある13種類のORFを確認出来た。これらのうち、プロリンtRNA(GGG)遺伝子は、葉緑体DNAで初めて見出された遺伝子である。個々の遺伝子の相同性の比較からは、クロマツ葉緑体DNAは高等植物のものの系譜に属すると言えるが、光非依存性のクロロフィル合成に係わるchlB、chlL、chlN遺伝子およびpsaM遺伝子は、蘇苔類や藻類の葉緑体DNAには存在するが被子植物のものには見られないもので、クロマツ葉緑体DNAの系統的位置付けに示唆を与えるものである。クロマツ葉緑体DNAの重要な特徴の一つは、呼吸系の遺伝子(ndh)が一つも完全な形では存在していないことである。陸上植物の葉緑体DNAに一般的に存在する11種類のndhA-Kのうち、4種類(A、F、G、J)は欠落しており、3種類(G、E、K)は偽遺伝子、4種類(B、D、H、I)は断片 となっている。また、495bpの逆位反復配列を含めて4個の逆位、3個の順位の数百bpの反復配列がゲノム上に散在しており、これらの多くはtRNA遺伝子を含んでいる。これらtRNA遺伝子配列はクロマツ葉緑体ゲノムの進化過程での再編成に深く係わっていたと思われる。葉緑体DNA先型と想定されているタバコ葉緑体型DNAからの可能な進化過程も検討した。, 名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(理学) (論文) 学位授与年月日:平成6年11月11日}, school = {名古屋大学, Nagoya University}, title = {クロマツ葉緑体DNAの構造解析 -他の葉緑体DNAとの系統的比較}, year = {1994} }