{"created":"2021-03-01T06:16:27.246540+00:00","id":9672,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"3f7a3a1f-b5a3-4b38-82a5-0cb42d21640b"},"_deposit":{"id":"9672","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"9672"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009672","sets":["320:606:607"]},"author_link":["29310"],"item_12_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"1993-03-25","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_12_date_granted_64":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"1993-03-25"}]},"item_12_degree_grantor_62":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"名古屋大学"},{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Nagoya 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changeの効果だけで決定される,3)破壊時の供試体中の過剰間隙水圧分布は非常に不均質なものであり、三軸試験はとてもエレメント試験と言えるものではない,等の興味深い知見を得た。第3章では、剛塑性有限要素法によって支持力解析を行う場合に、特異点,不均質地盤およびgeometry changeの3点の取り扱い方をめぐり、計算精度の改善についての幾つかの試みを行った。まず第1の試みは特異点の処理である。すなわち、特異点の座標に5節点を同時に与えることにより計算精度の向上を図った。例えば、飽和粘性土地盤の基礎の押込み問題ならば、Prandt1の解(π+2)cuに極めて近い値が得られる。第2は、深さ方向に強度が上昇するような不均質地盤の場合には、支持力は顕著にメッシュサイズに依存することから、なるべく少ない要素数で高精度の計算結果が得られる方法を提案した。ひとつは内部消散率が実地盤と等価となるようにsoil profileを離散化する方法の提案である。そして、もうひとつは計算領域内に存在する、剛体と見なせるほど速度場が相対的に小さい部分を削除し、繰り返し計算をする方法の提案である。この2方法を組合わせて作成したアルゴリズムの計算によって、大きな計算精度の向上があった。すなわち、従来の支持力解析の結果と比べ、20~30kPaの計算結果の改善があった。またそれ以上の成果として、支持力のみならず、速度場にも異方性が顕著に現われる解析に、おそらく世界ではじめて成功したことが挙げられる。すなわち、カムクレイモデルを用いれば盛土の法先にすべりが生じ、関口・太田モデルを用いれば盛土直下にすべりが生じる解析結果が得られた。第3は解析の対象とする物体の境界が幾何的に形状を変える場合に、初期の形状のみで支持力を評価する場合とそのgeometry changeを考慮する場合とでどれほど計算結果に違いが生じるのかを確かめた。すなわち、基礎の押込み問題では、geometry changeを考慮してメッシュを変形に伴い更新させながら解析を行った結果、最高で6.5%程度の支持力の増加が見られた。第4章では最初に土の破壊問題を水一土骨格連成問題の立場から、4つの破壊問題に分類した。すなわち、1)正規圧密粘土(ゆるい砂)の排水載荷問題,2)正規圧密粘土(ゆるい砂)の非排水載荷問題,3)過圧密粘土(密な砂)の排水載荷問題,4)過圧密粘土(密な砂)の非排水載荷問題,である。それらのうち1),2),4)は土が硬化するまま破壊に至るため、限界状態を破壊と見なす連成極限つり合い解析によってシミュレーションすることに問題はないが、3)は限界状態がピークを過ぎた後の残留状態に対応するため、この解析を用いることには限界があると考え、その適用限界を見極めるために、4つの破壊問題すべてについての室内模型実験と、連成極限つり合い解析を用いてそのシミュレーションを行った。その結果、1)・2)・4)の条件では、同一の土質パラメータを用いて実験結果を十分に説明することができた。排水条件や地盤の初期状態が全く異なるにも関わらず、3つの条件にまたがり同一の土質パラメータを用いて実験値をうまく説明できるというのは、解析の精度の高さを証明している。しかし、3)の密な砂の排水条件に関しては、支持力の下限値を求める解析となっているために十分な解析結果は得られず、この条件に関しては解析の適用性には限界があると判断した。第5章では、複合地盤の支持力問題に対し水一土骨格連成極限つり合い解析を適用することによって、1)砂杭の吸排水条件の検討,2)載荷する荷重の固さの影響の検討,3)砂杭打設後の周辺粘土の強度増加現象(排土効果)による低置換のSCP地盤の支持力増加の検討,の3つのアプローチを試みた。その結果、上記の1)と2)は密接に関連し、盛土のように軟らかい荷重が載荷される場合には、砂杭に杭頭から直接的に応力が集中しないため、砂杭部は負圧からもたらされる拘束圧によって複合地盤を支える非排(吸)水条件の方が大きな支持力を発揮し、一方固い基礎が載荷される場合には砂杭には杭頭から直接的に応力集中が生じ、それ自身が大きな拘束圧となるために、砂杭部排水条件の方が大きな支持力を発揮することが分かった。また、砂杭杭頭への鉛直応力集中度は、砂杭には粘土部の約4.3~5.3倍の鉛直応力が加えられていることが分かった。また、3)に挙げた排土効果は、従来砂杭打設による粘土地盤の「乱れ」としてしか扱われなかったが、円筒押し拡げの境界条件に水-土骨格連成極限つり合い解析を用いてシミュレーションした結果、舞鶴港の現地破壊実験の結果も十分説明できることが分かった。このように杭間粘土の強度上昇が簡単な解析を用いて予測できるようになることは、将来的にSCP工法を軟弱地盤の大規模掘削問題等に応用する場合に非常に役立つと考える。本論文の主要な目的であった、水-土骨格連成極限つり合い解析がさまざまな土の破壊問題にどれだけ適用できるのかを見極めるということは、第4章の浸透力を用いた破壊実験とそのシミュレーションを通して、密な砂の排水載荷問題以外には高精度で適用できることが示されたことによって達成できたと考える。また、もうひとつの重要な目的である、水-土骨格達成極限つり合い解析を軟弱地盤を締固め砂杭で改良した複合地盤の支持力解析に適用することによって、この解析の工学的な真価を問うということについては、第5章の複合地盤の支持力解析でこの解析を用いたからこそ、支持力発揮のメカニズムについて、1)砂杭の排水条件,2)載荷重の固さ,3)排土効果等の新しい仮説を取り入れることができ、その結果として数々の新たな知見が得られたことを考えれば、十分その目的も達成されたとみてよいだろう。もちろん第4章,第5章の解析ができたのは、第2章での色々な形の剛塑性問題の定式化や関口・太田の構成式の導入、そして第3章の特異点処理等の解析の精度改善のテクニックを生かすことができたからであることは言うまでもない。","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_12_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"名古屋大学博士学位論文 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