{"created":"2021-03-01T06:16:27.436118+00:00","id":9675,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"6e111548-ecb1-4e76-be18-6278e1d4f1f0"},"_deposit":{"id":"9675","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"9675"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009675","sets":["320:606:607"]},"author_link":["29313"],"item_12_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"1994-01-31","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_12_date_granted_64":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"1994-01-31"}]},"item_12_degree_grantor_62":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"名古屋大学"},{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Nagoya 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2.正しい意味を推論する能力 3.聞き返しの対話を適切に組み立てる能力 3に関連する能力として、一般に対話をどう組み立てるか(対話のプランニング)に関する知識をシステムは持たなければならない。人間はこの能力を持っているので、人間どうしの対話は普通各参与者がイニシャティブを取り合いながら進む。これは仮に誰かが不適格な発話を行なった時に、それ以降の対話をどう組み立てるか計画する際に不可欠である。なぜならそのためには以下のことを知っている必要があるからである。● この対話の目的は何か●現在まで何が話され、何が話されていないか ●相手の発話はこの対話にどう影響するか ●その影響が対話の目的の障害となる場合、どのようにそれを除去できるか これらを実現するため、本研究では不適格文への対応も考慮した対話のプランニングの手法についても検討する。さらに不適格文の解析手法の音声対話システム以外への応用として人間の話したり書いたりした文章の添削もしくは添削支援システムが考えられる。本研究では、従来の添削システムでとらえることのできない文の「わかりにくさ」に焦点を当て、議論する。第2章でまず、対話システム構築の際に問題となる不適格性について、対話システムを構築する観点から整理し、分類する。その結果、話者自身による言い直しである自己修復にともなう不適格性、修飾構造のあいまいさおよびわかりにくさ、ユーザの誤解にともなう対話の目的を逸脱した発話内容の3種類を本研究の対象とすることを決定する。これはそれらが対話において出現する頻度および対話に与える重要度を基に選択されたものである。第3章では、第1の対象である自己修復文について考察する。自己修復は自然な対話においては、非常に頻繁に行なわれ、話者自身もそれに気づかないこともあるほど自然な現象であるが、自己修復文の構造は、従来の文法を大きく逸脱しており、深刻な不適格性を含んでいることを指摘する。つづいて自己修復文の特性を調べるため行なった、ラジオ番組より採取した対話コーパスに基づく分析結果について述べる。その結果、自己修復にともなって出現する繰り返しに着目することで、比較的簡単な方法で多数の自己修復文の不適格性を除去できることを示す。そしてその方法により自己修復文を自己修復を含まない適格文に変換することで特別な文法を持つことなく構文解析を行なうパーザを提案する。最後にそのパーザの有効性を検証するために、分析に用いたコーパスと異なるコーパスより取った自己修復文に対する評価実験を行なった結果について述べる。その結果分析用に用いた文と同程度の文を構文解析できたことを示す。第4章では、修飾構造のあいまいさ、わかりにくさについて考察する。良い文の構造に関する知識をいくつかのヒューリスティクスとして実現し、それらを用いて、修飾構造のあいまいさ、わかりにくさを指摘する添削支援システムについて述べる。システムは入力された文を構文解析し、さらに意味解析も行なって、知識に基づいた添削を行なう。あいまいさに関しては、その存在を指摘し、わかりにくさについてはその存在だけでなく、システムの持つ知識を用いて生成した、よりわかりやすいと思われる修正案も提示することで、より使いやすい添削支援システムとなっている。また、システムの有効性を検証するため行なった、実際の書物より引用した文章を用いた評価実験の結果についても触れる。システムの添削結果と人間の行なった添削結果を比較した結果、人間が指摘した文はシステムも残らず指摘しており、添削支援システムとして望ましい「とりこぼしはしない」という性質を持つシステムとして実現されていることが確認された。さらに、人間がさまざまな知識を用いて修飾構造を理解しているということから、修飾構造のあいまいさ・わかりにくさと専門知識との関係についても考察し、いくぶん専門的な説明文においては、専門知識のあるものにとっては問題なく理解できても、専門知識のないものにとってはあいまいもしくはわかりにくい修飾構造がしばしば存在することを指摘する。このような文を避けるためには、本研究で作成した添削支援システムを専門知識を除いた一般的な知識のみを組み込んだ状態で使用すると有効である。第5章では、ユーザの誤解に対する対応について考察し、それを実現した対話システムの概要について述べる。このような複雑な不適格性を取り扱うには、すでに述べたように対話の目的をはじめ、対話の状態に関する知識が必要である。本研究ではこれを実現するため、対話ブランと呼ばれる対話の進め方に関するプランニング知識を導入する。それにより対話システム自身に対話をコントロールする能力を与えることができる。つづいてユーザの誤解が、単にそれを取り除くだけでは済まされない影響を対話に与える場合があることを指摘し、その場合にどうやって対話を継続し目的を達成するかに関する知識を、前述の対話のプランニングのためのプランに対するメタプランとして実現する。最後にこの対話プランおよびメタプランを持ち、さらにユーザの誤解を検出するための信念管理システムを持った対話システムを提案し、期待通りの動作を行なうことを確認した。第6章では、以上の内容を総括し、今後の課題について述べる。","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_12_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"名古屋大学博士学位論文 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