{"created":"2021-03-01T06:16:27.623024+00:00","id":9678,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"49dcdb80-d116-4b31-a3f0-4cbe4ff75bc2"},"_deposit":{"id":"9678","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"9678"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009678","sets":["320:606:607"]},"author_link":["29316"],"item_12_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"1994-03-02","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_12_date_granted_64":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"1994-03-02"}]},"item_12_degree_grantor_62":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"名古屋大学"},{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Nagoya 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Cube ModelとSoft Cube Modelについて検討し,反射分子の速度分布の予測の可能性を調査した.その結果以下の結論を得た.(1)無次元干渉パラメータによる散乱領域の分類法を明らかにし,固体表面原子の振動,ポテンシャル井戸の深さを考慮すべきかどうかの判断を可能にした.(2)本実験条件におけるアルゴンと銀の干渉モデルでは,固体表面原子の振動とポテンシャル井戸を考慮する必要がある.(3)ヘリウムと銀の干渉では,固体表面原子の振動,ポテンシャル井戸の深さは無視できる.(4)ステンレス鋼表面からの散乱に対しては,アルゴンもヘリウムもともに固体表面原子の振動を考慮する必要がある.(5)Hard Cube Modelでは反射分子の速度分布の反射角度依存性を説明できない.第3章では,本研究に使用した実験装置を超高真空仕様にするために施した改良点について述べ,本実験装置が面-分子・干渉実験を行うための工作精度,真空度,および検出能力を備えた装置であることを明らかにした.その要点は次のようである.(1)分子線源は強度の強いK-G型を採用した.(2)分子線の軸,検出器の回転軸,試料表面の回転軸は精度0.05mm以内で交差し,分子線実験に必要な幾何学的要件を満足させた.(3)本主室を超高真空仕様にするために施した改良点である,主室への液体窒素シュラウドの設置,内部ベーキング,フランジの2重シール化は有効であり,到達真空度は2×10^{-9}Torrに維持することを可能とした.(4)反射分子の検出器には質量分析器を用い,信号処理にはイオンカウンティングの手法を使用し微弱な反射分子の計測を可能とした.第4章では分子線の測定法および解析方法について調査し,以下の結論を得た.(1)飛行時間法の原理を説明し,到着信号と理想信号の関係を明らかにした.(2)コリレーションチョッパを使用した相関測定の理論を明らかにし,分子線の到着信号測定に相関測定を適用することが有効であることを示した.(3)理論TOFスペクトルを実験で得られたTOFスペクトルにべストフィットする方法を明らかにした.第5章では,真空材料であるステンレス(SUS304)の電解複合研磨表面に,入射エネルギ1.02×10^{-20}Jのアルゴンとヘリウム分子線を入射し,表面からの反射分子流束強度分布と各反射角におけるTOFスペクトルを質量分析計で計測し,表面との干渉特性を調査した.この際,TOFスペクトルの解析に2つの理論スペクトルを重ね合わせる方法を適用し,以下の結論を得た.(1)アルゴンとSUS304との干渉は,入射分子線の入射角および表面温度にかかわらず吸着一脱離過程のみで説明できる.(2)SUS304からのアルゴン反射分子の平均エネルギは,表面温度にかかわらず反射角依存性が小さい.また,平均適応係数は,低温ではほぼ1であるが,高温になると急激に低下する.一方,反射分子流束強度分布は分子線の入射角,表面温度にかかわらずほぼcosine分布となる.(3)ヘリウムとSUS304との干渉におけるTOFスペクトルは,低温においては直接的散乱過程と吸着-脱離過程の2つの干渉過程で説明でき,スペクトルの分割が有効であるが,高温では非平衡な干渉過程の導入が必要と思われる.(4)ヘリウムのSUS304からの反射分子の平均エネルギは,反射角依存性がなく,高温では入射エネルギとほぼ一致し,平均適応係数は非常に小さくなる.(5)ヘリウムのSUS304からの反射分子流束強度分布はアルゴンに比べてlobular成分が強くなるが非lobular成分も含む.この非lobular成分は吸着一脱離過程から生じた結果ではなく,試料表面の汚染分子に起因したものであると思われる.第6章では,ステンレスの電解複合研磨表耐こ銀イオンプレーティングを施した表面において,第5章と同様の調査を行い,希ガス分子とこの表面との干渉特性をステンレス表面の結果との比較を通して評価した.また,真空材料の評価に必要な吸着確率をTOFスペクトルから推定する方法を提案し,この方法を用いてSUS304と銀イオンプレーティング表面における吸着確率を比較し以下の結論を得た.(1)アルゴンの銀イオンプレーティング表面からの反射分子のTOFスペクトルは,基本的に第1および第2スペクトルを用いてベストフィットでき,第1スペクトルはHard Cube Modelに定性的に一致した直接的散乱過程,第2スペクトルは吸着-脱離過程に対応する.ただし,第2スペクトルに含まれる分子の運動エネルギは,表面温度が低い場合には表面温度にほぼ完全に適応するが,表面温度が高い場合にはより低い温度で適応する.(2)ヘリウムの銀イオンプレーティング表面からの反射分子のTOFスペクトルは第1および第2スペクトルを用いてベストフィットでき,第1スペクトルは直接的散乱過程,第2スペクトルは表面温度が低い場合にはSUS304の場合と同様に吸着-脱離過程に対応する.しかし,表面温度が高い場合(T_t=500K)には,第2スペクトルに含まれる分子の運動エネルギは表面温度より低い温度で適応し,その温度は表面温度にほとんど依存しない.(3)銀イオンプレーティング表面からの反射分子流束強度分布は,アルゴンおよびヘリウムいずれの場合もSUS304の場合よりも強い葉状分布を示し,最大流束強度を示す反射角の表面温度に関する変化から,アルゴンの反射分子には非弾性散乱過程,ヘリウムのそれには弾性散乱過程を経た分子を多く含むことがわかった.(4)吸着確率を推定する目的で局所吸着確率を定義し,これを用いて銀イオンプレーティングによる吸着確率の低減化を明らかにするとともに,銀イオンプレーティングが超高真空を得るための表面改質技術として有効であることを示した.(5)アルゴンおよびヘリウムいずれの場合も,反射角の増加にともない局所吸着確率が低下する傾向があることが明らかとなった.第7章では,第2章から第6章において記述された研究の大要を概観し,得られた結果を総括した.","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_12_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(工学) (課程) 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