{"created":"2021-03-01T06:16:27.687228+00:00","id":9679,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"9a9fbac6-6027-48a7-90bb-77cf03fe8857"},"_deposit":{"id":"9679","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"9679"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009679","sets":["320:606:607"]},"author_link":["29317"],"item_12_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"1994-03-25","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_12_date_granted_64":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"1994-03-25"}]},"item_12_degree_grantor_62":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"名古屋大学"},{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Nagoya 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Cross-Validation,略してGCV法と呼ばれている)と,V.A.Morozovにより提案された相変原理(Discrepancy Principle)が有名である.GCV法の基本的な考え方は,与えられたデータ点の一部を取り除き,残りのデータ点を使って解を求め,それが取り除かれた部分をよく推定するように正則化パラメータを決定することにある.しかし,この手法は悪条件線形方程式の特殊性を考慮していないため,その有効性への疑問は以前より指摘されていた.相変原理は,計算結果の残差ノルムと,入力データの誤差レベルを一致させることを基礎としている.この手法を用いることにより,事前にノイズレベルの上界がわかっていればある意味において最良となる正則化パラメータを選択することができる.したがってノイズレベルを事前に知る必要がある.我々は先ず,統計的立場からの悪条件線形方程式への最適正則化法について考察を行った.もし,統計的な手法を用いて,事前にノイズレベルを推定できれば,相変原理を適用することにより最適の正則化パラメータの推定値が得られるであろうと考えられる.ここで我々が考察した方法は,データ平滑化法としてよく用いられているAIC最小化推定法(Minimum AIC Estimation,略してMAICE法と呼ばれている)と相変原理を組み合わせたMAICE-DP法である.なお,AICとは,現実に観測されるデータを用いて統計的モデルの適切さを評価するために赤池弘次により導入された統計量であって,次式のように定義される.AIC=-2×1n(尤度の最大値)+2×(自由なパラメータ数).パラメータ数は観測者が主観的,経験的に決めるのが普通であるが,情報量AICを最小とするモデルを最良として採用する方法を用いると,それを客観的,機械的に決めることができる.このAICは情報量規準の推定値として広く使われている.MAICE-DP法は,先ずノイズを含んだデータより回帰多項式とAICを用いてノイズレベルを推定する.ここで回帰多項式はルジャンドル多項式によるフーリエ展開の形式である.それを相変原理に適用して正則化パラメータを決定する方法である.この方法はノイズレベルの推定がうまく行われれば,精度のよい正則化パラメータが得られるであろうと期待される.事実,相変原理の意味での最適正則化には成功している.しかし,MAICE-DP法は正則化パラメータ選定において,数値的に不安定な非線形方程式を解かなければならないことがわかった.また,MAICE-DP法はあくまでも相変原理の意味での最適の正則化パラメータを得ることを目的としている.したがって,相変原理が最適化できない問題には精度よいパラメータを選定することはできない.我々の行った数値実験より,データ点と解近似に用いる基底関数の個数がかけ離れているとき,相変原理では最適化できないことがわかった.これは,データ点が100個でAの実質的な階数が30程度の問題にでも100個の基底関数を用いなければならないことを意味し,無駄な計算が伴うことになる.また,P.C.Hansenは最近,\"L-カーブによる最適正則化法\"を提唱した.L-カーブとは,Tikhonovの正則化法による近似解のノルムを縦軸に,その残差ノルムを横軸にとり,正則化パラメータを動かすことにより得られる図を指す.名前の由来は文字どおりL字型の曲線となることにある.この発想自体は新しいものではないが,悪条件線形方程式に適用するとL字型の曲線になることを発見したのも,L-カーブと命名したのもHansenである.悪条件線形方程式にTikhonovの正則化法を適用するとき,正則化パラメータを0に近づけるとノイズの影響より残差は小さくなるが近似解のノルムは発散する.逆に正則化パラメータとして大きな値を採用すると,近似解のノルムは小さく抑えられるが残差が大きくなる.このような場合は明らかに不都合である.この2つの量を図示することにより,両者の均衡をとるのがL-カーブの着想である.L-カーブはその中程にコーナーを持つ.そのコーナーを表現する正則化パラメータを選択せよというのがHansenの主張である.しかし,L-カーブはコーナー付近では正則化パラメータの動きに対して曲線の動きが極端に鈍くなる.そのため,Hansenの主張する方法では正則化パラメータの選定は困難である.そこで我々は,正則化パラメータの選定基準として\"L-カーブの曲率\"を用い,これが最大となる正則化パラメータを選択する方法を提案した.L-カーブの曲率は行列の特異値分解を用いることにより正則化パラメータの関数として陽に表すことができる.L-カーブの曲率最大の原則に基づいて正則化パラメータを決定する我々の手法は,数値実験によっても有効であることがわかった.また,MAICE-DP法では最適化できなかった問題にも良好な結果を示した.Tikhonovの正則化法とは別に,解空間を制限することにより高周波成分を切り捨てる正則化法も考えられる.このときの問題は解空間の基底と次元の選定である.通常,解空間ならびにデータベクトル空間の基底として,作用素Aの右,左特異ベクトルが用いられる.そして,データベクトルbの左特異ベクトルによるフーリエ係数とAの特異値との相関を考慮することにより,解空間の次元は決定される.我々はその制限された空間において最良となる近似解を打ち切り最小2乗最小ノルム解と名付けた.我々の行なった数値実験では,特異値分解による打ち切り最小2乗最小ノルム解は,悪条件線形方程式に対して良好な結果を示した.しかし,特異値分解は直接法ではないので,計算量が多いという欠点を持っている.また,Aの実質的な階数は特異値分解を行なう以前には未知であるため,不要な特異値までも求めることとなり,無駄な計算を行なうこととなる.これに対して我々は,Aをピボッティング付き修正グラム・シュミット法によってQR分解し,さらに三角行列に対するQR分解を2回施すことにより最終的に次の分解 A=URDV^T を求め,これを用いて打ち切り最小2乗最小ノルム解を近似解とする方法を提案した.ここで,U,Vは列正規直交行列,Rは悪条件でない上三角行列,Dは対角行列である.上の分解はピボッティングの効果により効率的に行なうことができる.また,これより得られる打ち切り最小2乗最小ノルム解は,特異値分解による打ち切り最小2乗最小ノルム解と同程度,与えられた演算桁数の下では最良の近似解であることが数値実験により検証された.","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_12_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(工学) (課程) 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