@phdthesis{oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009735, author = {Hemanta, Hazarika and ヘマンタ, ハザリカ}, month = {Mar}, note = {土圧を評価するための解析的方法は、古典的な理論や地盤を剛塑性材料と仮定する理論に基づいているが、しかし、たとえば、擁壁に対して土圧が大きくなってゆくような進行的に変形してゆく現象について、この方法では説明することができない。したがって研究者たちは、数値解析的手法の助けを借りて、このような現象を解いている。彼らの多くは静的および動的載荷の下、異なるアプローチで、土圧の数値計算を行っている。しかし、擁壁の裏込めが進行的に変形する特性、たとえばひずみの局所化は無視している。地盤の変形が十分に進み、塑性領域に達した時、粒状の材料内部の変形は、ある集中した帯に沿って局所的に進行する傾向にある。この帯はせん断帯と呼ばれているが、このせん断帯が発生することによって、ある土要素内の応力状態は不均質になる。多くの土木構造物の破壊は、実際せん断帯の形成と発達によって特徴づけられるので、このひずみの局所化現象をモデル化することは、実用的にいっても大変重要である。土圧の場合、静止状態から主動あるいは受動状態への移行は、進行性破壊の現象である。したがって今までの解析のほとんどが仮定しているような、すべり面に沿ういろいろな場所でのピーク強度の同時的な修正は、しばしば正しい値を示さない。なかでも特に、平面ひずみ条件がせん断の局所化にかなり敏感であることから、土圧はせん断帯の分岐を最も受けやすい現象であること考えられる。したがって、土圧の数値解析は発端となるせん断帯の影響を考慮することが要求される。本学位論文において考慮した特に興味深い3つの主な項目を以下に示す。(1)インターフェイスのモデリング(2)裏込め土のモデリング(3)静的および動的な土圧による擁壁の変位モード 本研究の目的は、上に示した興味深い3つのトピックスを取り扱うことにある。それに応じて、この研究の目的は以下の2つの側面からなっている。すなわち、(1)裏込め土塊の進行的な変形特性を考慮した擁壁-裏込め土システムを考え、それを解析するための数値解析的手法を提案すること、(2)さまざまな擁壁の変位モードに対する剛な擁壁を解析するため導入した方法を適用することである。(1)の目的はインターフェイスはもちろんのこと裏込め土のモデリングも含まれる。結局、裏込め材料についての新しい構成別の導入と、擁壁と裏込め土の相互作用を含んだ物理的メカニズムを良く合致するインターフェイスの理想化とが、研究の基礎を築いている。本研究の主題は、変形の局所化を考慮した裏込め土の構成関係を導入した点である。裏込め土塊の変形の進行的な性質を表現するため、撹乱したせん断帯を表現する技法に基づいた、2つのせん断帯(Coupled Shear Band Method)を利用することによって、新しい構成式を導いた。インターフェイスのモデル化は、それが擁壁などの構造物と裏込め土との相互作用を含むように、土圧解析の総合的な部分である。複雑の度合いが変化に伴ういろいろなインターフェイスのモデルは、最新の文献の中から利用することができる。土圧解析の視点に立った新しい単純化されたインターフェイスのモデルはもまた、本論文の中で提案している。記述された数値解析モデルを用いることにより、擁壁に対し作用する静的および動的土圧を計算した。静的だけでなく動的土圧に及ぼす擁壁の変形モードの影響も詳細に計算した。本論文は、序論(第1章)および結論(第7章)を含み7つの章から構成されている。第2章では、土圧に関する従来の研究、すなわち実験的、解析的、数値解析的アプローチについてのレビューをまとめた。そして土圧解析における従来の方法の限界を議論した。剛な擁壁における土圧に関する擁壁の変形モードの影響を、特に注目すべき点として与え、現在の研究の必要性を浮き彫りにした。第3章では、裏込め土のモデリングのため、2つの構成則を示した。1つは双曲線型のひずみ硬化をもつDrucker-Pragerのモデルを用いた古典的な式であり、もう1つは、裏込め土塊の変形の進行的な性質を表現するため、撹乱したせん断帯を表現する技法に基づいた、2つのせん断帯(Coupled Shear Band Method)を利用することによって、導びかれた新しい構成式である。古典的なせん断帯解析と比較すると、このCoupled Shear Band Metbodは、局所化した土要素の中に2つのせん断帯を考慮している。この2つのせん断帯を達成することによって形成される構成関係は、せん断帯の幅を合併させる。それによって「幾何学的な軟化」を表現している。第4章では、土と構造物の間のインターフェイスを示した。いろいろな応用に対し、多くの研究者によって展開されたインターフェイスのモデルをレビューしている。ここでは要素ごとが交わったりや離れたりする問題に留意した新しいインターフェイスのモデルを示した。このモデルのメリットは、単純化とその適用に含まれるパラメータを最小にする点にある。このモデルがどのくらいの精度で問題をシミュレートするかについては、第5章、第6章で明らかにしており、その中で、このモデルを2つの土圧問題の解析に応用している。第5章では、第3章で示した数値解析モデル(裏込め土のモデル)と第4章でのインターフェイスモデルとを剛な擁壁に対する静的土圧の解析に応用している。ここで擁壁は、その変位のいろいろなモードの作用を受けている。そして解析の中で実験で得られたモデルをうまく表現することがわかった。裏込め土の進行的な破壊モードはそれぞれの擁壁の変位モードに対して観察されている。主動状態は破壊領域の進行に基づいて定義している。そして数値解析で得られた結果を、以下のいろいろなアプローチと比較した。すなわち、実験結果、古典理論による解、解析的手法を用いた結果、そして塑性論によるひずみ硬化理論を用いて得られた数値解析結果との比較である。第6章では、地震時の土圧問題を取り扱っている。裏込め土は第3章で記述したような式に基づいてモデル化されている。地震時の載荷条件下では、擁壁が裏込め土から離れるように動き、また逆に慣性力が擁壁から裏込め土を離すように作用する時、擁壁と裏込め土とが瞬間的に引き離れようとすることが起こる。したがって第4章で示したインターフェイスモデルはインターフェイスの相対的な動きを許すように修正している。裏込め土塊の進行的な変形だけでなくいろいろな土圧パラメーターは擁壁の実験で得られたモデルに対して数値解析的に評価さている。加えて、地震時の主動土圧問題に依存する擁壁の変位モードもまた議論している。本数値解析手法による結果と岡部・物部の式、Logarithmic Spiral Method(付録Aに示している)およびDimarogona's analytical methodとを比較考察し、これら3つの手法の問題や適用範囲を明らかにした。本研究での解析は以下のことを示している。すなわち、裏込め土の進行性破壊のパターンが擁壁の変位モードの影響を受け、その結果裏込め土の進行性破壊は土圧分布のパターンに影響を及ぼすということである。結論として、主動土圧係数と主動土圧により生ずる合力の作用する位置とは、擁壁の変形モードに依存する。地震時の載荷条件では、地震加速度レベルの増加に伴って、破壊領域の範囲の拡大してゆく。破壊面に沿って内部摩擦角の修正は進行的に時間依存的に起こり、同時的には起こらない。というのも、主動状態においては、破壊面のいろいろな場所での修正された内部摩擦角は異なっている。したがって修正された内部摩擦角の平均値は、それほど地震加速度レベルの影響を受けないことがわかる。現在において、導入した方法論の応用は、実用的な擁壁問題の代わりに実験で得られたモデルにのみ制限されていた。その背後に隠れている理由は、現場の問題からモデルのパラメータを容易には決定することができないからである。最初のステップとして、もし本研究で提案した基礎的な方法論が実験モデルのシミュレーションを通して展開、発展できるのなら、将来、このモデルは、不確実性を有するデータしか持ち得ない現場の問題に直接適用する代わりに、実際問題に近い実験を行い、そのシミュレートを通じてより実用的修正、改良することできる。それでもやはり、本研究から導かれた結論は他の擁壁問題に簡単に適用できると考えられる。, 名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(工学) (課程) 学位授与年月日:平成8年3月25日}, school = {名古屋大学, Nagoya University}, title = {Computational Modeling of Static and Dynamic Earth Pressure against Retaining Walls Based on Localized Deformation}, year = {1996} }