{"created":"2021-03-01T06:16:45.867740+00:00","id":9963,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"3df76f5c-cfea-47e5-baa9-4405445e33b2"},"_deposit":{"id":"9963","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"9963"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:nagoya.repo.nii.ac.jp:00009963","sets":["488:641:642"]},"author_link":["30252","30253"],"item_12_alternative_title_19":{"attribute_name":"その他のタイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_alternative_title":"Non-localness and non-instantaneousness of the α-effect in geophysical and astrophysical 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未解決な問題の一つは、小スケールの流れが、どのようにして大スケールの磁場を生成するかという問題である。ここで想定している現象は、大きくわけて、天体内の流れおよび磁場と、乱流との2つであるが、この問題は、特に前者において重要であることが広く知られている。具体的には、地球磁場や太陽磁場のような、ほぼ軸対称な磁場の生成を理解するために重要である。従来、この小スケールの流れが大スケール磁場に与える影響(平均誘導起電力)は、α効果と呼ばれる効果で近似的に扱われてきた。α効果とは、平均誘導起電力が大スケール磁場に比例して生成するという近似モデルで、平均誘導起電力が大スケール磁場に対して局所的かつ瞬間的に生成するという近似をしている。このα効果近似は、理論上の扱いやすさから考えられたもので、磁気レイノルズ数が1よりも十分小さい状況で正しく成り立つ。磁気レイノルズ数とは、磁場の拡散時間に対する移流時間の比を表すパラメータであり、内部磁場をもつような天体ではO(1)よりも大きい。しかしながら、このα効果によって、大スケール磁場の生成メカニズムを定性的に説明できるということから、長年、天体ダイナモを解釈する際に頻繁に使用されてきた。それは現在にも続いており、近年さかんに行われている地球ダイナモ直接数値シミュレーションや太陽ダイナモ平均場モデルシミュレーションでも、結果の解釈においてα効果は中心的な役割を果たしている。しかし、そもそもα効果が実際の天体のような状況で適切に平均誘導起電力をモデルしているかどうかは明らかでない。むしろ、実際の天体ダイナモでは、磁気レイノルズ数がO(1) よりも大きいので、従来の狭義のα効果は破綻するはずである。それにも関わらず、このことは長年のダイナモ理論の歴史の中で検討されてこなかった。本論文では、この点に注目する。 本論文の目的は、実際の天体ダイナモに近い磁気レイノルズ数でのα効果、つまり、平均誘導起電力の描像を確立することである。特に、従来のα効果が仮定により排除していた非局所性と非瞬間性に注目する。 本論文では、第1章で天体磁場の観測的な特徴と近年のダイナモ研究について簡単に述べたあと、第2章で、伝統的に使用されてきたα効果の効能と問題点を示すために、天体ダイナモ理論の枠組みを概観する。天体ダイナモ理論の基盤は、電磁流体力学によって与えられる。電気伝導度をもった流れがダイナモ作用をもつためには、磁気レイノルズ数がO(1)よりも大きくなくてはならない。実際に、磁場をもつ天体の多くは、これを満たしている。一方、ダイナモが駆動されるためには、磁気レイノルズ数だけでなく、流れ構造も重要である。天体ダイナモを駆動する天体内部の流れは、主に熱的に駆動された対流である。地球外核や太陽対流層を想定した状況での線形安定論は、それらにおける熱対流が、3次元的なねじれ(ヘリシティ)を特徴的にもつということを示す。そして、流れにヘリシティがあることはダイナモの駆動にとって有利にはたらくということが、キネマティックダイナモ研究から知られている。キネマティックダイナモとは、流れ構造を仮定して、それから生成される磁場の性質を調べるという方法で、その結果はダイナモ理論の基礎をつくってきた。その代表的な例が、カウリングの反ダイナモ定理と平均場の理論である。カウリングの反ダイナモ定理は、完全に軸対称な天体磁場の存在を否定するものである。しかし、実際には、多くの天体でほぼ軸対称な磁場ができている。そこで、軸対称の枠組みにおいて非軸対称な現象を理解するために、非軸対称成分を平均量で置き換えるという平均場の理論が導入された。平均場の理論において、カウリングの反ダイナモ定理を回避して、ダイナモが駆動されるために重要となるのが平均誘導起電力で、これがヘリシティによって生成される。特に、平均誘導起電力が大スケール磁場に対して瞬間的かつ局所的に生成される場合、その応答係数が狭義のα効果と呼ばれる。瞬間的かつ局所的なα効果は、磁気レイノルズ数が1よりも小さいときに成立する。α効果に基づく平均場ダイナモ理論は、軸対称成分が卓越する磁場の生成を、さらには、太陽磁場のような振動磁場の生成を定性的に説明する。しかし、定量的に天体磁場の特徴を説明しようとした場合、単純なα効果だけでは無理であることがわかっている。これらをいかに克服するかが、近年のダイナモ理論の主要課題となっており、α効果の空間分布や非線形性、α効果以外の平均誘導起電力のモデルの導入などが検討されている。 それに対し、本論文の第3章では、磁気レイノルズ数がO(1)よりも大きい状況で、α効果の前提となっていた局所性と瞬間性の仮定をせずに、広義のα効果がどのような非局所性と非瞬間性をもつかを示す。平均誘導起電力の振る舞いを、磁気レイノルズ数の関数として、G.O.Roberts(1972) のキネマティックダイナモモデルにおいて調べる。その流れ構造は、天体内部の熱対流と類似し、ダイナモや平均誘導起電力の生成にとって重要なヘリシティをもち、さらに、2次元周期性があるので数学的に解析しやすい。Roberts の流れがつくる平均誘導起電力を数値計算で具体的に求めることによって、ヘリシティをもつ流れが生成するα効果を厳密に調べることができる。その結果として、平均誘導起電力の振る舞いは、磁気レイノルズ数の大きさによって、3つのタイプに分類できることがわかった。まず、磁気レイノルズ数が1/4よりも小さい場合は、平均誘導起電力は局所的かつ瞬間的で、従来のα効果でまさに表現できる。しかし、磁気レイノルズ数が大きくなるにつれ、伝統的なα効果からのずれが大きくなり、非局所性と非瞬間性が増す。そして、磁気レイノルズ数が4よりも大きい場合、平均誘導起電力の非局所性および非瞬間性が顕著に現れる。しかも、その非局所性と非瞬間性は大スケール磁場の生成にも強く影響を与え、天体のスケールと同程度のスケールの磁場成分を卓越させるという効果をもつ。つまり、実際の天体に近い状況では、非局所性と非瞬間性を考慮してα効果を拡張する必要があるということである。このようにして拡張されたα効果は、地球や太陽を始めとする天体磁場における卓越波長成分の問題や、大規模数値シミュレーションを介した天体磁場との定量的な比較に貢献するだろう。","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_12_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(理学)(課程) 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