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アイテム
アスペクト比が小さいテイラー渦の実験的研究
http://hdl.handle.net/2237/11520
http://hdl.handle.net/2237/11520c2f439b5-b3e6-47b1-b975-844df0a7483d
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2009-04-21 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | アスペクト比が小さいテイラー渦の実験的研究 | |||||
言語 | ja | |||||
著者 |
戸谷, 順信
× 戸谷, 順信 |
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アクセス権 | ||||||
アクセス権 | open access | |||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_abf2 | |||||
抄録 | ||||||
内容記述 | 本論文はアスペクト比が小さい場合のテイラー渦流れの安定性及び非一意性に関して、実験を行った結果を示したものである。内円筒が回転し、外円管が静止している回転二重円筒において半径比が一定で、端面の影響が考えられる条件において、レイノルズ数とアスペクト比が変化したときにすべての存在し得る流れの構造の特徴と安定性について実験的に調べ、その特徴から流れのモードに分類し各モード間の相互関係を明らかにした。また、これらの内容を固定端の場合と自由端の場合について比較、検討した。各章における内容は概ね以下の通りである。第1章においては本研究の意義、およびテイラー渦流れに関連する従来の研究の概要を説明した。第2章においては固定端と自由端におけるテイラー渦の構造と形成過程を確認し、テイラー渦流れにおける最も重要な特徴の1つであるセルの高さ(渦の大きさ、または波長の意味)がレイノルズ数とアスペクト比に対してどのように変化するかを測定した。結果として、自由端と固定端の場合の流れの状態、渦の形成過程は境界条件に強く依存することがわかった。特に自由端の場合、その境界条件の非対称性から奇数個のセル流れが一般的に発生し、限られたアスペクト比では偶数個の流れも形成された。固定端の場合には偶数個のみのセル流れが観察された。奇数個の流れはアスペクト比の変化では発生しない。また、レイノルズ数が徐々に増加したとき、テイラー渦流れの形成過程には3つの形があることがわかった。これらはいずれもアスペクト比に依存する。固定端の場合にはアスペクト比に関係なく形成過程は1つであった。レイノルズ数に対するセルの高さの変化は自由端の場合、最下層のセルの高さが増加し、最も高くなり、中間層はどの層もほとんど同じ高さで最も低く、最下層のセルの高さと同程度に次第に減少していく。固定端の場合、最上層と最下層のセルの高さの変化は同様でほぼ一定となる。また、中間層はどのセルもほぼ同じ高さであり、最上層と最下層より低く、ほぼ一定であることがわかった。第3章においては固定端と自由端においてレイノルズ数が増加したとき、テイラー渦流れから波動テイラー渦流れへ遷移する臨界レイノルズ数をアスペクト比に対して調べた。さらに、自由端の場合のテイラー渦流れの不安定性、すなわちレイノルズ数が増加、減少したときに、各流れの状態が不安定になり、他のセル数を持つ状態に変化する分岐現象を明らかにした。結果として、自由端と固定端においてテイラー渦流れから波動テイラー渦流れへ遷移するレイノルズ数を調べることによって、テイラー渦流れの不安定性が求められ、自由端において奇数個のセル間、奇数個と偶数個のセル間の分岐現象が明らかになった。また、波動テイラー渦流れへ遷移するレイノルズ数はセル数と同じ値のアスペクト比の付近が最も大きく、よって安定であり、セル数が増加するとその安定性は全体に低下することがわかった。さらに自由端における偶数個のセルは限られたアスペクト比とレイノルズ数の範囲にしか存在せず、偶数個のセルのまま波動テイラー渦流れや乱流へ分岐しないことが判明した。自由端における奇数個のセル間、奇数個と偶数個のセル間の分岐するレイノルズ数を求め、それらの相互関係を明らかにした。また、自由端においてアスペクト比に対するセル間の分岐関係を求め、主モードの選択性を明らかにした。さらに主モードの定義について新たな提案を行った。第4章においては固定端の場合のテイラー渦流れを流れの形成過程と構造からモード別に分類し、レイノルズ数が減少したときの各モードの分岐現象とモード間の相互関係を明らかにするための実験を行った。その結果、2次モードの中の正規モードから主モードへ分岐するレイノルズ数の変化をアスペクト比に対して求め、2次モードの安定限界を示した。また、変異モードから他の流れの状態へ分岐するレイノルズ数をアスペクト比に対して求め、変異モードの安定限界を示した。アスペクト比の値によって同じセル数と構造を持つ2次モードが異なる流れの状態へ分岐することがわかり、そのアスペクト比の範囲を求めた。さらに、複雑な流れの相互関係を流れの分岐図を使用して示し、2次モードである偶数個セルの変異モード、奇数個セルの変異モードと正規モードおよび主モードとの関係を明らかにした。また、各モードの不安定性は定性的に偶数個のセルの変異モードが最も不安定で、順に奇数個セルの変異モード、2次正規モードであり、主モードが最も安定していることが明らかになった。第5章においては自由端の場合のテイラー渦流れを流れの形成過程と構造からモード別に分類し、レイノルズ数が減少したときの各モードの分岐現象とモード間の相互関係を明らかにするための実験を行い、第4章で得られた固定端の場合の結果と比較した。結果として、変異セルが最下層にある場合において、変異モードが他の流れの状態へ分岐するレイノルズ数を求め、アスペクト比の変化に対する不安定曲線を示した。アスペクト比の値によって2次モードが他の流れの状態へ分岐することを明らかにし、その範囲を求め、流れの相互関係を流れの分岐図を使って示した。また、自由端と固定端における複雑な流れの状態をその形成過程及び流れの構造から整理し比較した。すなわち、自由端の主モードは正規モードと変異モードを持ち、固定端の主モードは正規モードのみである。自由端の場合において、最上層と最下層の両方に変異セルが存在する変異モードはかなり乱れた波動テイラー渦流れとしてのみ存在する。自由端と固定端の場合における流れの分岐関係を比較し、主モードを除く全てのモードは最終的に主モードへ分岐するという基本的な特徴は共通しており、アスペクト比が増加すると、アトラクタとしての主モードの交代が行われる直前のアスペクト比のある範囲で、2次モードは次に主モードとなるモードへ一旦分岐し始め、次のアトラクタへ引かれていくことが明らかになった。第6章においては固定端の場合について、変異モードの変異セルに隣接するエクストラ渦(小さい渦)の特徴を調べ、さらにある特別なアスペクト比において、従来の実験結果では発見されていない半径方向に2つの渦が並んだツイン渦が存在することを明らかにする実験を行った。また、Bolstad とKeller による隠れた渦の存在により変異モードは存在しないという主張に対し、変異モードがBenjamin の定義通り存在することを確認する実験を行った。その結果、自由端と固定端の場合、エクストラ渦は変異セルとともに付随して2つ存在することがわかった。その場所は各々外円管と端面の角と内円筒と端面の角である。しかし、このエクストラ渦は従来から注目されているセルとは性質が異なり、セル流れのように独立したものではなく、あくまでも変異セルに付随したものである。特に固定端における変異1セルモードでは、アスペクト比の特定の値において、外側エクストラ渦が従来から存在するセルと同じ程度の大きさに発展し、半径方向に横に並んだ2つの渦が形成しツイン渦となる。これは従来から報告されていない形の渦構造である。固定端における変異3セルモードと自由端における変異2セルモードにおいて、エクストラ渦は変異セルに付随して存在することがわかった。しかし、どちらのモードも外側エクストラ渦が発展してツイン渦となることはない。変異セルの流れは内外円管と端面の角に存在する2つのエクストラ渦と主たるセル流れで構成され、端面上における流れは必ず逆向きの流れ方向の領域を持つことになる。よって変異セルの流れの上に通常の流れ方向があると主張するBolstadとKellerらと異なることになる。第7章においてはテイラー渦流れが持つ多重解性、初期条件に対する依存性を固定端と自由端の2つの場合について実験的に調べた。その同一幾何学的条件で存在するモードの中でどのモードの発生頻度が大きいかを初期条件であるレイノルズ数とストロハル数を変化させることにより、アスペクト比ごとにその発生確率を求め検討した。さらに、詳細な可視化観察により、与えられたアスペクト比において存在するモードのレイノルズ数とストロハル数の変化による発生機構について考察した。また、これらの特徴について固定端と自由端の2つの境界条件に対する比較を行った。固定端と自由端の各場合において、1つのアスペクト比の値でレイノルズ数とストロハル数の変化に対する各モードの発生頻度を多数回の試行により実験的に調べ、レイノルズ数とストロハル数の値によって主モードと2次モードの発生頻度が異なることがわかった。特にレイノルズ数によって発生頻度が大きく変わり、同じレイノルズ数の値でもストロハル数によって変わることがわかった。2次モードは.レイノルズ数によって発生するモードの種類が異なり、さらにその発生頻度が変化した。また、同じレイノルズ数でもストロハル数によってモードの発生頻度が変化することがわかった。さらに、レイノルズ数とストロハル数の変化により発生するモードが異なる現象、すなわち、多重解を持つテイラー渦の分岐関係の複雑さを実験的に定めた確率から計算される情報エントロピーで表現することで定性的に明らかにできることを示した。また、各モードの形成過程ほそれぞれ特徴があることがわかり、これをスケッチ図で説明した。モードの選択決定はレイノルズ数とストロハル数の値により半径方向の流れと上下端面上の2次流れの発生の時間差と運動量の大きさによるものであると思われる。固定端と自由端のどちらの場合もレイノルズ数とストロハル数の値によって発生するモードが決定され、レイノルズ数とストロハル数に対する主モードの発生頻度の影響は定性的に類似していることがわかった。また、その分岐の複雑さばどちらかというと自由端の方が小さかった。第8章は第2章から第7章までの結論の総括が述べられている。 | |||||
言語 | ja | |||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | ||||||
内容記述 | 名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(工学) (論文) 学位授与年月日:平成6年5月9日 | |||||
言語 | ja | |||||
内容記述タイプ | Other | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源 | http://purl.org/coar/resource_type/c_db06 | |||||
タイプ | doctoral thesis | |||||
書誌情報 |
発行日 1994-05-09 |
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学位名 | ||||||
言語 | ja | |||||
学位名 | 博士(工学) | |||||
学位授与機関 | ||||||
学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||
学位授与機関識別子 | 13901 | |||||
言語 | ja | |||||
学位授与機関名 | 名古屋大学 | |||||
言語 | en | |||||
学位授与機関名 | Nagoya University | |||||
学位授与年度 | ||||||
学位授与年度 | 1994 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 1994-05-09 | |||||
学位授与番号 | ||||||
学位授与番号 | 乙第4594号 | |||||
フォーマット | ||||||
application/pdf | ||||||
フォーマット | ||||||
application/pdf | ||||||
著者版フラグ | ||||||
値 | publisher | |||||
URI | ||||||
識別子 | http://hdl.handle.net/2237/11520 | |||||
識別子タイプ | HDL |